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2008年01月03日

ホームズ彗星は依然肉眼で見えています

 昨年10月、大増光したホームズ彗星ですが、新年に入っても北天に肉眼で見えています。1月の3日、21時、肉眼で観察すると、彗星はペルセウス座の二重星団より明らかに暗くなりましたが、アンドロメダ座の銀河M31より僅かに暗いと思われる3.9等星でした。彗星は太陽から離れるに従って、当然暗くなるのですが、12月中旬ごろから、それほど全光度が落ちないのは、コマが暗くなりながらも、拡大して行くことによって、輝く面積が大きくなるため、それほど表面の輝度が落ちないものと推察されます。しかし60cm反射望遠鏡で覗くと中心の核はドンドンと暗くなり、今は13等以下に落ちました。その恒星状の核は小さなコマを伴っており、大きなコマの中に小彗星が見えるという、甚だ奇観を呈しています。21cm F3.0のイプシロンで撮った外コマの直径はなんと71′もありました。
 今度回帰するときには、外の大きなコマは消滅して、中の小彗星が帰ってくることでしょう。果たして、それはどの様なイメージか、そして光度は?再来が待たれます。
 写真は明るい21cmのイプシロンで撮ったモノクロの写真ですが、淡いながらも奇怪なコマが写っており、中心にかすかに核が見えています。


17P/Holmes(ホームズ彗星)
2008年1月3日 21時20分から17分間露出(J.S.T)
21cm F3.0反射 ISO 1600フィルム