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2000年7月の日記

● 7月31日
 台風6号の北上している影響で四国地方では連日の雨天に見舞われています。その間A新聞でリニア彗星が爆発崩壊し、急激に減光したことが報ぜられました。芸西では7月21日に観測したまま、その後1回も見えていませんが、もし今日明日の中に晴れれば60cm鏡を向け”芸西天文台通信”のページでその映像をお目にかけられるでしょう。
 天文台では先の月食観測会は何とか見えたものの、7月29日のリニア彗星観測会ではベタ曇りで星は見えず、お話だけの会となってしまいました。しかし熱心な子供達や、その父兄との心のふれあいが出来て成功だったと思います。小学校や中学校に話しに行っても、特に最近は何となくざわめいた雰囲気を感じます。しかし星が好きで向学心に燃えた子供達の目は澄んでいます。『曇っていてかえってよかった!』と思われるような内容の会をやろうと私たちはこのボランティアに挑んでいるのです。イケヤ・セキ彗星の発見と池谷さんとの友情のやりとり、このお話は子供達の胸にどのように響いたのでしょうか。そしてあの当時の彗星の映像がスライドで甦ったのです。教室の片隅には発見した当時の手作りの小さなコメットシーカーが光っていました。

● 7月16日
 月食の日がやって来ました。ちょうど四国地方の梅雨明けが宣言された日で、どちらかと言うと雲が多かったものの早い時刻のほうが良く晴れました。天文台のドームの上にかかる赤い月は何年振りのことでしょう。月食の夜は必ず晴れると言うジンクスがあります。21時半頃でしょうか。口径21cmF3のカメラでISO 800のフィルムを使用。約5秒の露出です。
 この頃リニア彗星は真北の地上10°の高さで、丘の茂みに隠れていました。スピードが乗ってきましたので7月26日の近日点に向かってガーーーーッと来ます。
[皆既月食の写真]
皆既月食
● 7月9日
 リニア彗星は天文台に行くたびに注目していましたが、どうやら肉眼彗星にはならない様です。20cm 60×で見ると、ちょうどこのカラー写真の様にスマートに尾が流れていますが、7月9日午前2時に7等台で、下旬にもう1等明るくなったとしても肉眼では無理で、双眼鏡的となるでしょうか?ホウキ星は5等でも恒星の様に明確に見えにくいものです。初めてのカラー写真ですが光景16cmF3.3のカメラで10分間露出したものです。
[リニア彗星の写真]
リニア彗星C/1999 S4(LINEAR)
● 7月7日
 七夕の日は滅多に晴れないのですが今年の7月上旬は好天が続き、七夕の夜は星が良く見えました。天文台で夜半になると織姫の白い光は天頂から少し西に流れて東北の空にはカシオペヤやペルセウスが高く昇ります。薄明が近くなる午前3時過ぎには木星と土星が現れてスバルと三角形を描き東の地平線は賑やかです。
[北東の空に昇るカシオペヤ座とペルセウス座]
北東の空に昇るカシオペヤ座とペルセウス座

[東の空に昇るスバル、木星、土星]
東の空に昇るスバル、木星、土星
● 7月5日
 6月下旬から好天の日が多くあります。7月1日の石鎚山の山開きは珍しく晴天。その後も毎日入道雲のもくもくと湧く真夏日です。モノクロの写真ですが、私の家の屋上から東の風景です。中央左に高知城が小さく黒い影絵となって写っています。この場所は1960〜1970年代に6つの彗星を発見したところで、私のホウキ星は人口30万のビル街の上に輝いたのです!

● 7月3日
 晴れると思って天文台へやって来たのですが、なかなか薄雲がとれません。午前3時、20cm鏡にリニア彗星(1999S4)を入れましたが、かすかに存在が分かる程度。いつかのベネット彗星の時、曇っていたので半ばあきらめて夜空を仰ぐと、薄雲を貫いてカッと輝いていたことを思い出しました。やはり大物と小物の違いです。次のコメットブレテンに写真を予報を出しますが、肉眼で見えるかどうかに焦点が集りそうです。カラーは今月中にHPに出す予定です。

● 7月1日
 梅雨が明けたかと思われるような好天となりました。
 天文台のドームの中に入ってみると小さな黒いヘビが床の上にとぐろを巻いていました。多分雨の中、居るところに困って入って来たものでしょうか。すっかり乾いた床が気に入って住み着いたものでしょう。杖の先で軽くつつくと60cm鏡の土台の隅の方へ変な格好で移動していきました。
 昨年の10月頃だったと思います。天文台で観測していてコートのポケットに右手を入れると何だかつるつるした紐があって、しばらく星を見上げながら触っていました。(変だな)と急に気がついて引っぱり出してみると、何と冬眠前の40cmくらいのヘビでした。コートは天文台へ吊るしてあったものですから丁度の冬眠の場所と心得て入って来たものでしょう。ある人は靴の中に入っていたムカデに足をさされました。芸西天文台は田舎です。色んな動物や虫が出て来て観測に愛嬌を添えてくれるのです。



Copyright (C) 2000 Tsutomu Seki. (関勉)