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2008年05月03日

芸西3人組が集まりました

 永い”冬眠”が覚めると、春たけなわです。なんと今日は最高で30℃近くもありました。
 芸西の新天文台を担う3人組が集まりました。「プロジエクトGeisei」のメンバーで、計算の村岡健治と、CCD観測屋の下元繁男、それにいつも極道屋で彗星を探す関勉の3人です。折からの星月夜の下、ドームの中では、新70cmの経緯台を操作して、CCDの画像を楽しく眺めました。C/2008 H1の彗星も撮りましたが、北天に高い大熊座のM51のCCDによるカラー撮影は結構迫力がありました。それもその筈70cmは5000mmも焦点があるのです。焦点が長くても、運転精度は問題ありません。あらゆる天体の導入精度も、極めて正確です。あと、筒内気流とCCD接続部での視野のけられ、それに合成焦点のF値の暗さ(F7.3)等、いくつかの問題点を残していますが、これから約1ヶ月かけて、メーカーによって改善されていく段取りです。
 村岡さんが先に帰られてから後、下元さんと昔話をしながら観測しました。下元さんは長谷川大兄から昔懐かしい手回しの計算機を譲り受けたそうですが、私もその機械による軌道計算の長い時代があり、約250個の小惑星の円軌道を計算したことや、1955年ごろ行方不明中だった「ぺライン彗星」の予報を長谷川氏と手分けして計算したことなど語りました。神戸と高知で、計算機がジャンジャンと高い音を立てて回っていたという、滑稽にしてよき時代でした。天体までの距離を決定するための、ガウスの四次方程式の解までも工夫しながら計算したのです。
 下元さんが帰ったあともドームに居残り、今度は銀塩の写真で、彗星をパトロールしました。傍らスライドルーフでは、15cmの双眼鏡で久々に明けなずむ東天を捜索、懐かしいM31の光芒を見ました。低空には幽かにモヤがありました。