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2002年9月の日記

● 9月23日
 まだ暮れやらぬ天文台の丘から南に低い金星が印象的でした。海岸の国道を車の光が曳航し、夕まだきのポーッとした赤い空気の中に飛行機が行き交います。南の海の上の低い空に光る赤い点光源は何でしょう?5分も同じ場所に光っているのです。
 月が出た19時34分、突然大火球が天頂から東北の空にゆっくりと落ちました。まるで戦時中の照明爆のような火の玉(グリーン)でマイナス6等。約7〜8秒光って消えました。その光跡は6mドームの銀屋根にはっきりと映って見えました。折から6人の見学者があり、その歓声が森にこだましました。きっと阪神方面で多くの目撃者があったことでしょう。この日30分早く南にも火球が飛びました。
[芸西天文台から南方向の夜景]
芸西天文台から南の海を向いて

[謎の点光源の拡大]
点光源の拡大

● 9月15日
 朝、天文台ツアーの9割の方々が私宅にやってきました。狭い2階のリビングでごった返しましたが、話題も多く、普段は滅多に出さないコメットメダルや池谷氏から贈られた友情の鏡(f=661mm D=107mm、1973年作 池谷No.1鏡)も披露し、皆さんにその光沢(池谷さんの永久に変わらぬ星空への情熱のシンボル)を見てもらいました。午後は門前で記念撮影の後、それぞれ観光地に向かいました。 
[記念写真]
門前での記念写真

● 9月14日
 大阪と伊賀上野のOAA会員たち約20人が芸西天文台に集いました。天文台はあいにくの曇天で小雨も時々。しかし学習室では地元の岡村啓一郎氏の、土佐の江戸時代の天文暦学者の業績やエピソード。そして村岡健治氏の世界的に珍しい古い天文図書の紹介。そして関の彗星発見の秘話などで盛り上がりました。天文台が開所した当時の芸西の暗い夜空を流れる天の川や、今はどうあがいても見られぬ対日照のふしぎな光芒もスライドで見てもらいました。

● 9月7日
 このところ良く晴れて夜半から朝方にかけて観測することが多くあります。今追っているのは30年以上も行方不明になっているペライン・ムルコス彗星です。この不思議な星についていは過去何回か書きましたが、現在近日点の近くをうろうろしているはずです。静かな朝の星空の下60cm鏡は静かにその光跡を追っています。
 スバルが高く昇り、東南の地平線上には冬のシリウスが輝き始めました。天界はもう秋です。
[昇るスバルの写真]
昇るスバル
2002年9月5日 午前2時

[昇るシリウスの写真]
昇るシリウス
2002年9月4日 午前4時

2枚とも芸西天文台より撮影



Copyright (C) 2002 Tsutomu Seki. (関勉)