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2003年8月の日記

● 8月26日
 高知県立歴史民族資料館でこの夏中、妖怪や幽霊の見せ物をやっているとかで見に行っていました。場所は南国市の岡豊(おこう)という戦国時代に四国を統治していた長宗我部元親氏の居城のあった場所で史跡となっています。
 館に入る前までは、どうせ怪しげなお化けたちの陳列だろうと思っていたのですが、意外な天文の発見がありました。その1つは古い時代に誰が作ったのか小型の渾天儀(こんてんぎ)です。そして今から1000年も昔の彗星出現を記念したノート。そして星占いに使ったと思われる星座版のいくつかです。これらの物品はもちろん妖怪とは関係のない器具なのですが、どうやらこれは14世紀頃まで天皇の下にいて運勢を占った陰陽師(おんみょうじ)たちが使った器具のようです。陰陽師たちは国のちゃんとした役人で、日食や彗星等の奇妙な星の出現なんかで天皇や国の運勢を予言したと言います。これらの人々が後、幕府の天文方として受け継がれたのでしょうか。
 会場の一角に珍しい”かっぱ”の剥製らしいものが置かれてありました。しかしこれは模型でしょうか。”かっぱ”や”しばてん”は昔土佐に実在したと言われる妖怪の一種で、1950年頃、元OAA高知支部長のS氏がこれらの妖怪を求めて須崎市の新荘川をさかのぼり、3日間山に張り込んでかっぱらしい動物を発見し格闘したと言う有名な話が残されています(彼は柔道四段)。このSさんは天文をやめた後、昔海賊たちが残したと言われる宝物を求めて海底の探検に出発するのですが、彼の造った巨大な潜水艦は今も桂浜の竜馬記念館の庭に残されています。あれから20年も経って鹿児島の港から南シナ海に出向するとき電話をかけてきたSさんの誇らしげな声が今でも耳の奥に残っています。もっともそれが最後となりましたが。

妖怪展の入り口にて


日本最古の渾天儀(こんてんぎ)


式盤(ちょくばん)の復元
(2世紀〜4世紀のもの)


土佐の川原にいた河童(かっぱ)の復元
● 8月23日
 芸西天文台のドームが故障していますが、現在東京から黒木建設が来て本格的な修理を行っています。多分26日には仕上がるでしょう。60cm反射望遠鏡の方は南北の早送りのスピードを下げて動くようになりました。
 さて、写真は私宅階の屋上から東北の景色で、遠くに小さく高知城の天守閣が見えています。すぐ手前に新築中の建物は山内容堂公(やまのうち ようどう=最後の土佐藩主)の時代に生きた坂本竜馬(小惑星2835に命名)の記念館で10月には完成する予定です。竜馬の生まれたところは高知城とこの建物の直線上約150mの所にあります。私の家から歩いて3分です。

屋上からの眺め
● 8月21日
 つい最近まで長雨が続いていて、やっと今梅雨が明けたような気分です。毎日炎天の暑い日が続いています。火星はますます赤く夜半の南天にぶら下がっています。
 今日、門田健一さんが帰省したとかで村岡さんとやってきました。いつも観測には前向きでバイタリティな彼と話すのは楽しいものです。村岡さんは最近息子さんとエジプトへ行っていた由。まだ時差ぼけが残っているような感じでした。
 秋になれば好天の下、たくさんの観測が待っている。お互いがんばりましょう。

左から村岡健治さん、関、門田健一さん
● 8月18日
 台風10号上陸の後はお天気のはっきりしない日が続いています。火星が早く昇るようになって、一般の人には見やすくなると思います。火星は"南のうお座"のフォーマルハウトとちょうど南北に並んでその対照的な赤と青が美しい眺めです。
 8月27日には芸西天文台で観測会が開かれることになっています。

火星
2003年8月10日 23時30分撮影
50mm F2.8レンズで5分間露出
芸西天文台



Copyright (C) 2003 Tsutomu Seki. (関勉)