ホームページへジャンプ

| 星日記へ戻る |

2001年7月の日記

● 7月31日
 昨夕方は雲が多かったものの夜半から晴れてきました。
 リニア彗星なんかを観測して、早暁12cmコメットシーカーで東天を捜索しました。汗でアイピースが頻繁に曇って能率があがりません。午前3時9分北の空にマイナス5等級のペルセウス群流星が飛び、痕が10秒ほど残りました。
 今朝は今から45年程昔、本田実さんが明け方のエリダヌス座に8等級の新彗星を発見された日です。午前4時、オリオン座の全容が薄明の中に浮かび、地平線上に3つの惑星が縦に見事に並びました。
[明け方の惑星の写真]
下から木星、金星、土星
50mm標準レンズで60秒露出 ISO400

● 7月27日
 夜明け前の東天には3つの惑星、土星、金星、木星が集まって賑やかです。ただし木星は夜が明けて地平線上にやっと姿を見せますので85mm望遠では入りません。秋空のシンボルとも言えるスバルはもう高くなりました。
[ヒアデス星団と土星、金星の写真]
ヒアデス星団と土星、金星

● 7月25日
 よく晴れました。ドームの中でのメインの観測を終わって午前3時20分、近くの丘に上って東天を捜索しました。スバルやぎょしゃ座の中の多くの散開星団が入ってきました。コメットの捜索は、発見できなくても美しい星団や星雲に出会えるだけでもすばらしい!これがあるから救われるのです。
 写真はイケヤ・セキ彗星を発見した9cm屈折(17× field 3.5°)で夢よもう一度と奮闘する私です。ふと気がつくと東はもう薄明に染まり3つの惑星が綺麗に並んでいました。
[彗星を捜索する私]

● 7月19日
 先日天文台に見学に来た高知市立第6小学校の児童(5年生)たちがお礼にと、自分たちで育てた鉢の花を2つ持ってやってきました。子供たちにとって天文台で見た星や蛍や何もかもが大変思い出深いものになり良かったと言っていました。帰りの山路はバスがなく、益々冴えてきた頭上の銀河を見たり、足元の蛍を手に取ったりして良い自然体験をしながら帰ったそうです。この夜眺めた天の川は見事で、芸西では10年に1度あるかないかの凄まじいもの。中に赤い火星が浮かんで誠に絶景でした。この夜の星空を写真に引き伸ばして学校へ記念として贈ることにしました。本ホームページでも数日後に掲載しますのでお楽しみに !!

● 7月14日
 今日は天文台の公開日で市内の小学生とその父兄40人が見学にやってきました。今年一番の快晴に恵まれ、南にかかる天の川と火星の輝きは異様なほどにくっきりとしていました。はるか南の海洋すれすれの2〜3等星が、まるで普段見る1等星の如く強い光で燃えているようでした。
 今夜は20cm屈折で火星を眺め、多くの夏の星座を学びました。教室での私の彗星発見のお話も子供たち(小学5年生)にきっと良い刺激を与えたと思います。暗い天文台の藪の中で蛍を見たとか、猫の目が光ったとか、「アッ流星が飛んだ」とか、子供たちには滅多にない良い体験だったと思います。
[子供たちと記念撮影]

[星空観望中の子供たち]

● 7月3日
 梅雨が上がったかと思う青い夏空が拡がります。
 今朝は口径16cm F3のイプシロンでリニア彗星を写してみました。緑色の幻想的な色をした大きいコマの中に白く光る核(B核)が印象的です。尾は右上(西南)に向かって1°以上伸びていますが極めて薄いです。ISO400のネガカラーで18分追跡しましたが、60cmの主鏡でリバーサルフィルムで撮った写真はコマの中にピンク色をした流れがあり、何か今までとは違った物質を持っているかもしれません。
 ドームの中の観測を終えて3時半車を停めてある丘の上に帰って9cmコメットシーカーで東天を20分ほど捜索しました。早くもスバルが輝きアルデバランが丘の上に昇ってきました。この私のレンズを作った苗村敬夫さんのことが7月7日のAM8:30〜9:00 BS2で放送されます。私のコメットシーカーは苗村さんの第1号レンズです。
[ε160で撮ったリニア彗星の写真]
C/2001 A2(LINEAR)
ε160
ISO400 18分

[金星、スバル、アルデバランの写真]
金星、スバル、アルデバラン
85mm F2レンズ 20秒露出

● 7月1日
 リニア彗星は北上したため早くから見られるようになりました。午前2時30分には相当に上って、ふだん見にくかった尾が相当に細長く伸び、60cmで撮った写真では2°の写野からはみ出ています。コマは明るい部分は12′くらいですがボーッとして幽かに拡がっている部分まで入れると何と月の直径に近い22′ありました。明るさはヘルクレス座の球状星団M13くらいか少し明るいくらいで肉眼でかすかに存在が分かります。月が明るくなりますがこれから更に北上して見やすくなります。
 午前3時40分。観測を終わって丘の上に立つと金星とスバルが薄明の空に低く見えていました。今から40年近い昔の7月1日、池谷さんがヒアデス星団の中に7等級の第2池谷彗星を発見したことを思い出し、このスバルのそばに何か彗星がかくれている様な気がしてポーッとしてしばらく佇んで見ていました。



Copyright (C) 2001 Tsutomu Seki. (関勉)