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2001年3月の日記

● 3月22日
 日中は汗ばむ陽気です。洗濯物を屋上に干してから高知公園に行ってみました。高知城の2つの丸には桜が咲き始め、多くのボンボリが吊り下げられていました。桜の満開と花見の賑わいはアッと言う間にやってきます。それにしても古城周辺の花の美しさが目を見張るものがあります。気分は陽気なはずです。しかし反面天体観測のシーズンが去り行く淋しさを感じます。星はやはり寒い冬が美しいのです。
[高知城]
高知城

● 3月21日
 太陽が春分点を通過し一気に春がやってきた感じです。夜は良く晴れたと思ったのですが、黄砂なのか春かすみなのか空全体が白く烟って思うような観測ができませんでした。ドームの中から火星とアンターレスが赤さを競うかのごとく並んで光り、北天では大ぐま小ぐまの回転が見事です。夜明け前の30分、12cmの双眼望遠鏡で東天の低空を横に捜索しました。比較的光害の少ない方角ですが、モヤで微光星が見えず僅かに子馬座の球状星団M15が明るく入ってきました。午前5時、いつの間にか薄明が忍んできていました。さあ、これからはるばる40Kmの道を帰ります。
[ドームの中から見たアンターレスと火星]
ドームの中から見たアンターレスと火星

[回転するおおぐま座]
回転するおおぐま座

● 3月18日
 久しぶりに良く晴れた日曜日、自転車で家の近くを回ってみました。鏡川の堤防の道には春を告げるかのごとく一面の白い花(米粒くらい)が咲き、川面には100羽を越える鴨たちが羽根を休めて浮かんでいました。3月8日には雪が降ったのに、この早い変わり方はやはり南国のものです。
 高知公園の近くにやってきたら古い家の垣根の中に桜の第1号を発見しました!太陽の光は黄ばんで明るく、町には春風が舞っています。行き交う人も気のせいか生き生きとしています。芸西天文台の森ではもううぐいすの声が聞かれるかもしれません。
 夜天文台にやってきましたがすぐ曇ってしまいました。西から東に長く流れた一筋の飛行機雲が発展し、芸西村の盆地全天を覆ってしまったのです。
[桜の第1号]

● 3月10日
 16年居たタローがいなくなり、私の家には1匹の猫(ペルシャ猫)が居るだけです。私が夜中や朝方天文台から帰ると、暗い部屋のどこからかヌーッと出てきて私の足にまつわりついてきます。如何にも長い夜が一人で淋しかったぜとうったえているようです。この猫の目が青かったら”スピカ”という名にしようかと思っていましたが、金色だったので平凡な”ロミ”と云う名になりました。天文台の近くの安芸市からもらってきて7歳になりました。


● 3月8日
 午前中は暖かくよい天気かと思われましたが、午後から寒波が南下し寒くなりました。その氷点下30度以下という猛烈な寒波は四国山脈を南に越して、3月としては珍しい雪を平野部に降らしました。写真は私の2回の書斎から道路の眺めで、1日に数千台の車が通ります。
 私が1960年代に彗星を発見した場所は今見えている道路の向こう側右寄りの平屋の奥です。30年程前にはこの場所にも星月夜がありました。
 こうした寒さの中にも春は確実に近づいて来ています。週に1回のウォーキングで見た桃の花は満開で、そろそろ気の早い桜の便りも聞かれそうです。でも今はまだ菜の花の天下でしょう。高知市東久万の寺田寅彦の墓所の中に1本の桜の老木があります。どんな花を咲かせるか今年は見てみます。桜の花は美しいのですが、私には一種の寂しさを感じます。それは早く散るためなのでしょうか、美しすぎるためでしょうか。
[書斎からの雪景色]


[桃の花]



Copyright (C) 2001 Tsutomu Seki. (関勉)