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2006年09月21日

 対日照が見えました

 対日照が見えました。
 台風13号が通過して、急に秋らしくなりました。それまでの秋雨前線も北上し、やっと長雨のシーズンを抜けました。今日は朝から抜けるような青空でやはり秋です。観測のシーズンの到来です。
 芸西の60cmは相変わらず不調ながら、何とか北空の177P(バーナード2彗星)に向ける事が出来ました。コマは相変わらず拡散した11等星です。写真では鋭い核がありm2では15等のようです。60cmは寸寸にモーターが停止するので精密な観測は出来ませんが、明るい天体なら同架した20cmの屈折で覗いて確認ができます。夜半後は第3の小屋に移って秋の東天を久し振りに掃天しました。
 ふと空を見上げた時、天頂からやや南に広い光芒がみえます。北には白鳥からカシオペヤにかけての天の川が見事に輝いているのですが、南の第2の天の川は、どうやら珍しい「対日照」らしいです。
 ハッとしてすぐに気がつきました。すぐ気が付くと言っても、その光芒は冬の天の川の最も淡い部分の3分の1から5分の1くらいのとても暗い光斑です。しかしその光芒は非常に大きく直径は少なくとも10度は在るでしょう。天頂のペガソスと南に輝くホーマルハウトとの丁度中間あたりで、これは完全な衝の位置です。そうです、小惑星を含む太陽系のチリが光っているのです。はるか南の地平線の数基の水銀灯の明かりが邪魔になります。対日照は夜半を過ぎて、やや西に移動するのが確認されました。最も対日照は30年前に芸西に来てからは毎夜の如く見え、写真に納めたこともしばしばでした。
 捜索は東天の双子から獅子にかけて探し、夜明け前には「クロイツ族」のやってくる大犬座の東、うみへびまで見ました。天文台周辺がまるで宇宙の中に突入して行ったような、完全な星の世界がありました。