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2000年5月の日記

● 5月29日
 良く晴れました。天文台へはPM11:00に行き、最近発見されたC/2000 K1やK2を写しました。K1は16等、K2は17等です。いづれも10"内外の小さな天体でピントが十分シャープで撮影のガイドをうまくやれば容易に微光星と区別できます。
 午前3時から例によっての捜索です。夜明け前の30分は忙しくてもコメットハンターらしい仕事をします。東北の空に低くM31とM32が入りました。非常に良く見えます。M32は9.5〜10等ですが、この程度の彗星を薄明の迫る低空で発見するのは、余程心を鎮めていないと困難だと思いました。高知市の物干し台で数々のホウキ星を発見した12cm双眼鏡は今も芸西で健在なのです!50米離れた60cmのドームでは60cmがリニア彗星を狙っています。2道をかけた作業で忙しく2つの施設を10回ほど走り往復します。夜明けが近い!

● 5月9日
 五月晴れの好天が続きます。月が沈んでから23時頃天文台に着き、60cmで観測を開始しました。ビニールハウスの灯が23時から26時半頃まで煌々と輝いていますから、この時間帯には暗いものは撮れません。当然衝ふきんの小惑星は駄目になりました。今は衝を外れたへんぴな場所で特異小惑星や彗星を狙ってのパトロールです。
 夏場は午前3時になるとコメットシーカーを使っての東天の捜索が始まります。ものの30分もあれば夜明け前の東天の大半を見るのです。アンドロメダM31の光が強く感ぜられる様になりました。いつの日にか明るい彗星との突然の邂逅を期待しているのです。
 リニア計画による徹底した掃天でもう眼視的に見つかる彗星は無いのか?それについていくつかの実例を挙げた小論文をOAAの「天界」6月号に書きました。コメットハンター必見の巻!

● 5月8日
 午前4時。東の空は黎明の光で相当明るくなります。リニア彗星(1999S4)のある東北の低空は森でけられています。芸西は東天が15°ほど山でかくされているのです。しかしリニア彗星も曉天で10等星で見えて来ないと7月接近の時肉眼星にならないのです!
あと10日ほどで60cm鏡に映るでしょう。

● 5月4日
 連休中は好天が続きます。夜半になって天文台へやってきました。東天にはもう壮麗な夏の天の川です。久し振りに35mmカメラに特別に明るい135mm F2のレンズを装着し、小さな赤道儀にのせて写してみました。35mm広角は1段しぼりましたが135mmはF2の開放です。いざと言うとき彗星を狙うレンズです。
 7月のリニア彗星を待っているのですが。

 (写真をクリックすると大きな写真を見ることができます。)
[夏の天の川] 芸西の天の川

2000年5月1日
35mm F2.8
ISO 800 EXP 10m


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[いて座付近 M8] いて座付近

2000年5月1日
135mm F2.0
ISO 800 EXP 5m


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[白鳥座デネブ付近 北アメリカ星雲] 白鳥座デネブ付近

2000年5月1日
135mm F2.0
ISO 800 EXP 5m


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[さそり座の散開星団] さそり座の南の
      散開星団
 NGC6453
 NGC6457

2000年5月1日
135mm F2.0
ISO 800

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[さそり座アンタレス付近] アンタレス付近

2000年5月1日
135mm F2.0
ISO 800 EXP 5m

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Copyright (C) 2000 Tsutomu Seki. (関勉)