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2003年4月の日記

● 4月24日
 愛媛県の肱川町(ひじかわちょう)に町立の天文台が完成して、その開所式が行われました。当日国道197号線を走って、近くの正山小学校(しょうざんしょうがっこう)に着き、記念講演を行いました。40年余り昔、イケヤ・セキ彗星を発見した9cmのコメットシーカーをステージに立て、約2時間学生や先生、それに一般を対象にお話しました。あいにく雨天でしたが、天文台(15cm屈折と30cmドブソニアン他)は周囲が低い山並みに囲まれた空の暗い場所で、これからの天文活動が期待されます。その夜は近くの小藪温泉(おやぶおんせん)に宿泊。裏山の下を流れる渓流の響きが久々に山の雰囲気を思い出させてくれました。

● 4月22日
 芸西天文台周辺には虫がたくさんいますが、ホタルは非常に少なく7月になって1匹か2匹飛んでいるのを見かけるだけです。水場が少ないのです。しかし私がよく言うように、冬の飛ばないホタル(クロマドホタル)は秋から冬にかけて天文台周辺のくさむらに青く光っているのを見かけます。ところが最近(4月21日)1匹のクロマドホタルらしいものがドームの下で光っていました。普通のホタルにしては時期が早いのです。体長1.5cmで体の幅が6〜7mmくらいの細長い楕円形をした黒っぽい虫が時々お尻から緑色の美しい光を明滅させます。ついに発見した(4月に見つけた先例はありません)と思って夜空を仰ぐと、そこには同じ光の美しいスピカが盛んに明滅していました。ホタルも負けじと光ります。この不思議な冬のホタル、今度見つけたら写真に撮ってお目にかけます。
● 4月12日
 4月に入ってから雨天が多くなり、星の見えるかすかな時間が貴重です。星空はもう夏ですね。ドームの天窓に、なつかしいさそり座のアンタレスが赤い炎を見せるようになりました。火星は今いて座にあって、やがてアンタレスに接近を試みようとしています。7月〜8月には2つの赤い巨星が南天に並ぶのでしょうか。

ドーム内からのさそり座
Nikon FM 85mm F2  ISO400(60秒露出)
● 4月5日
 2〜3日間降り続いた雨も、今日の午後やっとあがり日ざしが出ました。高知市中央付近の桜は、はや3〜4分ほど散り舗道の上はピンク色の一面の花びらです。しかし、去る1日の仁淀村で見た川岸の桜の美しさは忘れられません。松山(愛媛県)へ行く途中、久万高原を通りました。中村彰正さんの天文台(久万高原天文台)はどこだろうと見渡しましたが、四方は高い山が囲み、それらしい建物は見つかりませんでした。
 写真は小惑星(6965) Niyodogawaに咲く桜の行列です。向こうの岸の桜もご覧ください。

仁淀川の岸に咲く桜



Copyright (C) 2003 Tsutomu Seki. (関勉)