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2000年3月の日記

● 3月9日
 早春という季節は寒い日と春らしい穏やかな日とが交互に現れます。星空はまだ冬の名残の美しさを保っています。しかし天文台の西の森(高知市の方角)に早々と沈んで行くオリオンは早春の景です。朝方になると早くも夏の星座、こと座のベガや白鳥の清らかな十字が懐かしい姿を現します。これらに比べると春を代表するしし座やからす、それにおとめ座たちはあまり目立たず、これから春霞の中にぼんやりと輝きます。
 人気のあった木星と土星はもう西に大きく傾き、しばらく退屈な星空が続きそうです。1997年と98年には飛び入りの大彗星が夜空を翔け回ったのですが......。今年も何かがと祈りたい気持ちです。
[沈むオリオン座]
沈むオリオン座

[昇ること座とはくちょう座]
昇ること座とはくちょう座

● 3月2日
 少し遅く天文台へ行くと、冬のシンボルたるオリオン星座が西に傾き高知市の方に沈んで行きます。シリウスは南に傾き、カノープスが南の洋上をはう様に進みます。早春の景です。明けて3月3日、午前4時になると東北に白鳥が清らかな白い光を放ち東南に早くもアンターレスが赤い炎を見せます。ラジオ深夜便を聞きながら帰ってくると、外国のオーケストラが「うれしい雛まつり」を演奏していました。3月3日は桃の節句です。もう星空もかすむ季節かとふと嘆息をもらしました。

● 3月1日
 1年前の日記のスタートが3月1日でした。あの日は夕方の西空に4つの惑星が縦に並んで壮観でした。我が家の3階の屋上から固定カメラで撮影しました。今日も見事な晴天で高知市内でありながら結構星座が美しく光り、星野撮影もできそうに思いました。空気が澄むと光害も少なく、まれには良い日もあるものです。そろそろカノープスも見えなくなります。高知市は南に鷲尾山があって見えません。私はイケヤ・セキ彗星を発見した1965年秋まで1度もカノープスを見たことがありませんでした。もし市内で見えたとすると赤っぽい星ですが、芸西では青く見えます。1986年の3月、バリで見たときは天頂にシリウスが輝き、少し南に傾いてカノープスが並び、なかなかの眺めでした。初めて南十字を見たのもこの年でした。



Copyright (C) 2000 Tsutomu Seki. (関勉)