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2000年10月の日記

● 10月29日
 いつまでも暖かい、まるで10月上旬の気候です。従って天気も悪く最近天文台に行っていません。しかし今夜は東の空に木星や土星、そしてスバルらの豪華な星の群れが輝き出し天文台に向かいましたが途中で曇り始めて引き返しました。市内では明るくて星の様子がわからず、郊外へ出て初めて天気に気がつくのです。
 60cmは9月にオーバーホールして運転精度が非常によくなり、20分くらい放っておいても写真は結構小さな点になります。収穫の秋を控えて悪天候でもたついています。
 昼間鏡川畔に出てみると中州にカモが数羽休んでいました。水は白々として漣が立ち冬が忍び寄ってくる気配です。半袖姿で川辺を自転車で走れるのも後僅かでしょう。
● 10月26日
 月が細くなって秋の星空が美しく展開しているはずですが、このところ天気が悪く妙に暖かで秋本番ではありません。日中はまだ半袖で外出し、部屋では冷房をやっています(室内で29°)。
 秋らしい風景を求めて南の鏡川畔を自転車で走ってみました。流石コスモスの花はしおれ始めていますが芒(ススキ)はまだ美しくありません。急に冬が到来して枯れススキになって行くのでしょうか。
 鏡川の水は白く光り早くも北の地から鴨達が帰って来て水辺で遊んでいました。水は良く澄んで1米水深の底の小石がルーペで覗くように良く見えます。”鏡川”の由来は川の道筋が昔の手鏡の如くぐるーっと回っていることから来たもので、高知市の少し北の鏡村の峠でそのことが良くわかります。因みに小惑星Kagamigawaは(4256)です。
[ススキ]


[鏡川畔]
鏡川畔
● 10月14日
 コスモスの花は私の好きな花のひとつです。昔竜馬が剣術の修行に通ったという築屋敷町の道場跡付近には一面のコスモスが咲き誇っていました。自転車で鏡川の土手を走り5丁目の新月橋を南に渡って今度は川の南の堤防を走りました。ここもコスモスや黄色い塔のような花が川面に映えてとても良い眺めでした。北は市外のビルと遥かに四国山脈の空が美しく晴れていました。どこかで運動会をやっているのか子供たちの声援が風に断続していました。秋たけなわです!
[築屋敷町の道場跡付近に咲いたコスモスの写真]

● 10月13日
 天気予報では曇りまたは雨でしたが昼夜とも晴れました。そして筆山の空にぽっかりと満月が浮かびました。今から39年昔の今ころは初めての彗星発見に感激し私の人生が転換したときでした。あの時と同じ東の空は今ではネオンとビルばかりで昼間のように明るいこんな場所でよく彗星が見つかったものだと思います。
Comet Seki(1961f)は1961年10月11日午前5時、ネオンの光る鉄塔のあたりに出現したのです。
[満月の夜景]
満月の夜景

[屋上からの夜景]
関彗星はネオンの光る鉄塔のあたりに出現した

● 10月10日
 夜半から天文台にいきました。10月6日はクロムメリン発見の日。10月11日は関彗星(1961f)発見の記念日です。39年昔と同じしし座を捜索しβ星が東の山の端に見えてきた時にはあの日の感動が甦りました。
 β星のすぐ西に7等級の小さな彗星が突然現れたのです。それは暗たんたる私の人生の転換の瞬間でした!今でも私の人生を変えたあの白い光芒が私の眼底に焼き付いています。
 10月と言うのに半袖のシャツ1枚で観測が出来るような暑いこの頃です。黄道光は今もボーッと立ち昇っています。
 東天異常なし。

● 10月6日
 今日は高知県の仁淀村で恒例の天体観測会がある日です。出発の準備をしていたところ地震がありました。震度は3.5〜4くらいで高知市では以前の阪神大震災のときより大きく揺れたような気がしました。福島県の佐藤裕久さんからお見舞いのメールが届きました。天文台の極軸が狂ったのではないかと気になっています。
 仁淀村の”星が窪”という山は標高500mくらいで頂上は広大な台地になっており、小さな池が一つあります。大昔隕石が落下して出来た窪地ということでその名があります。10年ほど前に村長をやっていた長老に話を伺ったことがありますが、大昔からの伝説と言うこと以外に何もわかりませんでした。例年なら一面にコスモスの花が咲き乱れてとても美しいのですが、今年はどうした訳か池の周りにわずかな花が見られただけです。
 夜は雲の多いお天気でしたが月面や”夏の大三角”なんか、何とか観望できました。私は1965年に”池谷・関彗星”を発見した9cm 17×のコメットシーカーを持って行き、多くの子供達に見てもらいました。長者の星が窪は四国でも有数の光害の無い星の美しい場所で、低い雲が現れても地上から全く見えません。
 高知市から車で2時間くらいで、仁淀村の教育委員会が主催して毎年10月の体育の日を中心にいろいろな行事を催しています。
[星が窪の池周辺の写真]
星が窪の池

[コメットシーカーを覗く家族]
コメットシーカーを覗く家族づれ



Copyright (C) 2000 Tsutomu Seki. (関勉)