ホームページへジャンプ

| 星日記へ戻る |

2000年6月の日記

● 6月25日
 天気予報では向こう1週間も雨マークが続いていました。しかし今日は朝からカンカン照りの真夏日となりました。気象衛星が空から監視している時代でもこんなはずれの現象があるのでしょうか。梅雨空が続いていると明日は”晴れ”と断言するのは難しいものでしょう。晴れたので今日は朝から天文台へ行ってドームの中に風を通し、やや曇り気味の60cm主鏡をクリーナーで拭きました。12cm双眼も手入れを行いました。南の太平洋が夕映えに美しく光っていました。
[夕映えの芸西天文台]
● 6月23日
 梅雨本番で晴れた日がありません。雲の向こうでリニア彗星は発展しているのでしょうか?6月15日以来のニュースがありません。梅雨は彗星が近日点を通る7月26日頃まで続きますから、その間に1回でも晴れてくれたら彗星の姿を出します。
 雨の季節には雨の花でも見ようと高知市五大山の植物園に行きました。色とりどりのあじさいの花が見事でした。
[赤いあじさい]

[たくさんのあじさい]

● 6月19日
 6月18日の日曜日は久しぶりに大阪・中之島の科学館を訪ねてプラネタリウムを見学しました。26mの大円天井に映し出される夏の星座は見事で1席の余裕もない盛況ぶりでした。ちょうど彗星の特集をやっており、昔のイケヤ・セキ彗星やウエスト彗星・ハレー彗星等迫力ある大画面に映し出されました。今回制作した担当の菊岡氏自らの解説で、今のソフトに頼りきりのプラネタリウムと違ってベテランの天文家の声が聞けてとても実感が涌いて来ました。人気の秘密はこんなところにあるのかも知れません。
 その後で東亜天文学会大阪支部の例会に参加し、久しぶりに多くの懐かしい会員にお会いできうれしく思いました。私はリニア彗星の最近の状況について芸西での写真を披露し、佐藤裕久氏の光度研究を紹介し、さらにリニア計画の中での眼視発見の大いなる可能性について話をしました。

● 6月15日
 梅雨にしては見事な好天に恵まれました。昼過ぎ自転車で近くの高知城を訪れ天守閣から初夏の美しい市外の景を眺めました。お城の中の陳列の中に坂本竜馬が海援隊長として航海の時使ったかもしれない遠メガネを発見しました。そして短筒。明治維新がつい先日であったかのような錯覚を感じました。
 6月18日には大阪・中之島の科学館で開かれるOAA大阪支部例会に出席します。リニア彗星の最近の動きについて写真を示し、そして日本におけるアマチュアの彗星発見の大いなる可能性について話します。

● 6月11日
 とうとう梅雨に入ってしまって芸西天文台でも休業が続いています。
次の晴れ間は13〜15日頃か?前線が少し南に下って好天に恵まれるかも知れません。リニア彗星がどの程度に成長したのか。楽しみにしています。
 ところで6月11日の午前1時頃、高知市周辺で地震があった?ドンという上下動がゼロコンマ何秒という短い時間に起こりました。震度2くらい?但しマスコミが全く取り上げなかったので私の家だけの怪事件か?真夏の夜のミステリーです。

● 6月10日
 6月10日は時の記念日です。芸西天文台では電波時計を掛け正確な時刻を知ることができるようになりました。彗星観測には1秒まで正しく記録しているのです。
 6月18日(日)は大阪市中之島の科学館でのOAA大阪支部例会(午後2時〜4時)に出席します。

● 6月7日
 静かな黎明です。午前3時20分、暗い山の空気は早くも白い夜明けの色を拾います。60cmの巨大な筒は東北の森の上を狙い少しずつ高度を上げます。
 同架せる20cm屈折の中にリニア彗星が見えてきました。白いほんのりとした光芒です。2'のコマと上に僅かな尾を見せています。近くの恒星(9.05等)と比較すると余光度は9.3等!どうやら予報の線に乗ってきました。近く「芸西天文台通信」にモノクロとカラーの写真を載せます。

● 6月6日
 数日前に四国地方は梅雨入りしたはずですがこの初夏らしいカラッと晴れた天気はどうしたことでしょう。梅雨前線の帯は四国の南に下って日本列島は大陸までの巨大な晴天域に入っているのです。いつも高知県では6月10日前後が梅雨入りで、7月20日過ぎが梅雨明けなのです。天文台の関予報官の発表では梅雨入りはもう数日先。
 さて快晴の天文台へやって来ました。60cm鏡を使ってドームの中で作業をしていたら突然ドームの天窓がバッと青く光りました。時刻は22時59分。まるで稲光りのような閃光でその光は約6秒間光りました。大流星の落下でしょうか?もし光を見た人があれば御一方下さい。10年ほど前同じ様な経験があり、その時はマイナス8等級の火球がドームの上から南の大平洋に落ちました。ドームの中が一瞬昼間の様に明るくなりました。隕石の落下です。3分後に轟音がドームを震わしました。佐治天文台のパトロールカメラがその光跡を捕らえていました。

● 6月4日
 日曜の来客が帰ってから天文台にやってきました。しかし雲が多く2時間ほどで帰宅しました。
 天文台でちょっとしたミステリーがありました。コンソールの上に掛けてある電波時計が傾き、窓に置いてあったジュースの容器が2つ床に落ちているのです。地震かと思いましたがそれらしい気配は無い。そこで思いついてぞーっとした戦慄は大きなヘビ(青大将)がドームの中を這い回ったのです。いつぞやドームの天井に真っ黒い2米ほどの大蛇が張り付いていつ落ちてくるか分からない恐怖にさらされながら暗黒のドームの中で作業したことを思い出します。朝の光が射すころヘビは消えていました。



Copyright (C) 2000 Tsutomu Seki. (関勉)