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2002年4月の日記

● 4月21日
 高知市のはりまや橋近くの料亭で村岡健治氏のお祝いの会を開きました。県下の同氏を知る有志10名が集まり約2時間を星の話に、久しぶりの再開の喜びにと歓談のときをすごしました。遠く福井県の松本敏一氏からの祝電も披露され、また余興として川添晃氏によるカナダで見たオーロラと池谷・チャン彗星のカラースライドも上映されました。新天体の発見以外のことで日本天文学会から表彰されたことは珍しいことで、これからもこうした種の功績を挙げられる人が出ることが望まれました。なお、村岡氏には記念品として有志一同から写真アルバムが贈られました。
 写真は表彰に至るまでのいきさつを説明する村岡健治氏です。
[写真]
● 4月14日
 よく晴れました。しかし春特有のモヤと黄砂のため低空の星はボーッとかすんでいます。午前3時半には東北の空に「池谷・張彗星」がこの悪コンディションの中、なんとか肉眼で認められました。しかし一般の人がホウキ星と気づくかどうかは疑問です。先年のヘール・ボップ彗星や百武彗星とはスケールが違います。
 下の写真は60cm反射で12分間追跡しました。3.5等で尾は2°ほど伸びていますが大変淡いようです。「天文掲示板」に出した位置は10秒露出のものでかなり良い測定と思います。
 一方宇都宮彗星は空が明るくなるぎりぎりの4時20分まで待ちましたが地平高度が7°の木立に隠れたままついに見えませんでした。
[池谷・張彗星の写真]
C/2002 C1(Ikeya-Zhang) 池谷・張彗星
2002年4月14日 3時30分から12分間露出
芸西天文台 60cm F3.5反射鏡 TP6415フィルム

● 4月1日
 例年より少し早く桜が満開となりました。東京ではすでに散っているそうですが、どういうものか一番早いはずの土佐路では東京、大阪の都会地より1週間ほど遅かったようです。写真は私の家のすぐ南を流れる鏡川(小惑星4256)の土手に咲く名物の桜並木で、約300米に渡って咲きほこります。芸西天文台付近も今が満開。夜は下の駐車場に赤いボンボリが灯って、人の声が伝わってきます。
 今夜見た池谷・張彗星は春のもやの中に低く光り、幽かにコマだけがボーッと輝いていました。恐らく今日、明日が夕空での見納めで、中旬から暁の東北天で低く見られるでしょう。今が最高の明るさで3等位か。
 東天での写真は近日お目にかけます。東北天は暗いのできっと尾が良く写るでしょう。それにしてもコマが小さく、肉眼彗星というには一寸淋しいですね。
[桜並木]



Copyright (C) 2002 Tsutomu Seki. (関勉)