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早くも暁天に黄道光

 久し振りに暁天の捜索を行いました。
 夜明け前の午前3時、木星を中央に抱えた「おうし座」が昇ってきました。
 懐かしい星座です。1964年7月上旬、このヒアデス星団の中に「池谷彗星C/1964 N1」が発見されたことを思い出しました。7等星で短い尾を曳いていました。
 あのころ私は9cm 17xのコメットシーカーで捜索していました。いまは15cm 25xの双眼鏡を使って捜索しています。地平線に水平に動かしながら進みました。恒星はシャープに良く見えました。
 いまコメットハンターに残された道は、太陽のあちら側から逆行の軌道を辿って、突然明けの低空に現れてくる彗星を発見することです。眼視観測者の発見は、過去このようなケースでの発見が多いのです。私の最初の発見(1961年10月のC/1961 T1 = 1961 f)もそのような典型で、発見時に彗星は近日点の通過中でした。地平高度は薄明時で15度。

 無事捜索を終えて晴れ晴れしい気持ちで、明けて行く星空を肉眼で見る気分は格別です。過去、収穫の無い夜、如何にこのような多くの日時を費やしたことか。いま東に昇るおうし座は、早くも秋の黄道光の光芒に包まれていました。


すばる・木星・ヒアデス星団

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2012年07月18日 23:00に投稿されたエントリーのページです。

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