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思い出の彗星


第2池谷彗星

 7月という月はこれという大彗星は出ていません。大昔はいざ知らず、私の知る範囲では1955年7月末、暁天のエリダヌス座の中に本田彗星が発見され夏空の話題となりました。たしか7〜8等くらいで、小さなテレスコープでも良く見えたと思います。
 また1964年7月1日、暁のヒアデス星団の中に2つ目の池谷彗星が発見され、この頃ライバルだった私は南紀方面に新婚旅行中でショックを受けたことを憶えています。この年の翌年、例の池谷・関彗星が出たのです。
 第2池谷彗星の発見で1番ショックを受けたのは、その頃ひそかに”池彗星”を夢見て高知県の土佐市で捜索していた池幸一氏でしょう。何と言っても名が似ているものですから折角やって、もし見つけても自分の影は薄い、とこの頃から発見の意欲が沈下して言ったのです。

 今年の7月11日は曇りのち雨という天気予報が、くもりのち晴れと逆になってしまいました。私達には良いのですが、予報が正反対になると気象台はショックでしょう。午前4時、35年もむかしのヒアデスの中に彗星が出たのだとおもって星団の上昇してくるのを待ったのですが、東の森にけられてなかなか昇ってきません。地球照の明るい月が出てプレアデスと並び可愛い景観でした。

 もうそろそろ明るいコメットが出ても良いと思うのですが。


[第2池谷彗星の写真]
第2池谷彗星
1964年7月10日 午前4時
15cm F6反射 20分露出



Copyright (C) 1999 Tsutomu Seki. (関勉)