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越前岬と大岐ノ浜が命名されました

越前岬と大岐ノ浜が命名されました。即ち、
 (65716)Ohkinohama
 (65894)Echizenmisaki
です。
 いずれも芸西の旧60cm時代に発見した小惑星で暗い星です。

 10年余り前だったでしょうか。私が福井県に講演に訪れた際、観光で見た越前岬あたりの荒海の情景が忘れられずに今度の命名となりました。

 また「大岐ノ浜」は足摺半島の余りにも対照的な明るい南国的な海です。
 命名するにあたってこんなエピソードがあります。

 「東京の新宿に住む青山神春は美しい心を持った少女でした。ある日、南の青年が新しい彗星を発見した、というニュースを見て、独り星の世界に憧れました。そして3日にあげず青年に手紙を書きました。それは美しい散文詩でした。かみはるは大都会の汚れた空気のなかで、必死に美しいものを求めて生きようとしていました。そして宇宙という、これまでに考えたことの無かった世界が開けたのです。汚れを知らず、宇宙に一つの光を求めて生きる青年の姿に感動し、そして何時の間にか恋していたのです。それは神春が勝手に描いた理想の人間像であり偶像だったのです。
 そんなある日私は夢を見ました。かみはると共に海を歩いていました。昼なのか夜なのか、あたりは暗く、私たちの歩くかなたに長い渚が月光に生えて、ただ白く光っていました。夢からさめてこれは一体どこの海岸だったろう、と思いました。
 何年かたって足摺方面に向っていたとき大岐ノ浜を発見しました。それは土佐清水市の海岸でした。長い松林に沿ってややカーブしながら2キロに渉って伸びる海岸線は、正に夢に見た海そっくりでした。
 大宇宙を愛し、詩を愛し、そして世の中に美しいものを見つめて生きようとした、けなげな少女神春を偲んでこの浜を命名したのです。」

 天国へいった神春の魂は今もこの海を歩いています。


大岐ノ浜

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2009年12月04日 23:00に投稿されたエントリーのページです。

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