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しし座流星群の観測です

 18日の午前0時、まさにしし座流星群の活動を開始するとき奇跡的に晴れてきました。天文台では他の観測を行いながらドームの中や、時には野外に出て、監視しました。午前4時半ごろ最も多く見られたような気がします。1時間に平均20~30個くらいは出現したようです。その間、2台のカメラを構えて4時間近くに渡って撮り続けましたが、明るい火球は少なく、1等星の流星を僅かに1個写し止めたに過ぎませんでした。改めて流星を撮影することの難しさを知りました。
 彗星を発見する前の1950年代は私は流星の観測者でした。彗星を捜索する傍らに、当時和歌山県に居られた小槙孝二郎氏と連絡を取りながら観測に没頭しました。まだ多くが眼視観測の時代で、観測した流星は、専用の星図にその経路を記入して報告しました。その後写真観測に入りましたが、当時の感度の低いフィルムと、粗末な暗いレンズとの組み合わせでは、撮影に成功する事は奇跡でした。今回やっと1枚の撮影に成功して、ふと当時の苦闘を思い出しました。当時写真観測に成功した人として、小槇さんは天文誌に吉井耕一氏、坂本鉄馬氏、そして私の名を挙げてくれました。日本での流星観測の先駆者的な小槇さんは1962年ごろ私の家を訪ねてくださいました。「関・ラインズ彗星」の出現した頃で、天文冒険家の池幸一氏を交え、歓談したことは今も良く覚えています。

[しし座流星群の写真]
流星(しし座流星群)
2009年11月18日 4時30分
アサヒペンタックスSP タクマー24mm F3.5
ISO-1600フィルム 固定撮影

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2009年11月18日 23:00に投稿されたエントリーのページです。

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