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市民大学で講演しました

 高知市の「かるぽーと」で<自然科学コース>「宇宙のしくみと天体」というテーマでおよそ十年振りに開かれました。参加されたのは中、高年の男性が圧倒的に多く、ご婦人はやや少なく、学生の姿はほとんど眼につきませんでした。昔は天文や他の科学についても何かやると、その主流は学生が占めていましたが、世間で言う若者の”科学離れ”の影響がここでも出ているのでしょうか。参加者は多かったものの一抹の寂しさを感じました。
 私以外の講師のお話はかなり程度の高い”宇宙論”でしたが、それでも聞こうという熱心な市民の姿には心を打たれました。熱心な聴衆が相手でしたら、話しよく内容もいい方向に展開して行きます。講師から良いお話を聞くのは、こうした聴衆のマナーにかかっていると、いつも思うことです。
 およそ90分間、一方的に語り、質疑応答は行いませんでした。なぜなら、質問は、聴衆を代表するようないい質問が少ないからです。本を読んだり、近くの一寸した先輩に聞けば分かるような質問ではなく、その人ではないと答えられないような、いい質問を我々は期待しているのです。
 昔NHKの放送番組で有名なギタリストが登場して演奏し抜擢された少数の聴衆が質問する番組が昔ありましたが、出た質問は一女性の「何とかの曲のこの部分はどのように弾けばよいのでしょう?」と言った平凡な個人的な質問にがっかりさせられたことがあります。その演奏家がここまで育ってきたことについて、もっと真髄を追求するような良い質問を多くの聴視者が期待していると思います。
 今回の講演会の司会を勤められた高知女子大学長の大久保先生と控え室でお話するチャンスがありました。先生は天文の専攻で、時々論文を書いて、外国の会合にも参加されますが、外国の学者に「どちらからお出でましたか?」と聞かれたとき、高知県といっても分かりにくいので「ほらあのイケヤ・セキ彗星の国からやってきました、、、、」と答えると分かってもらえる、と言って私を喜ばして下さいました。
 写真は演台から見た熱心な参加者の姿です。


かるぽーとでの講演会の様子

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2009年07月22日 23:00に投稿されたエントリーのページです。

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