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空にホームズ彗星、地上にも「ホームズ」

 しばらく日記を休んでいる間に秋が随分進みました。
 今朝は久しぶりに東天を捜索しました。しし座から始まって、夜明け前には、小銀河の多い「かみの毛」から「おとめ」そして「からす座」と進んでいきました。テレスコに小型のナビを取り付けたので、入ってくる彗星状天体の識別に有効でした。基準星は第一が北極星、第二が90度ほど離れた、ししのレグルスを選びました。
 可也の精度で位置を表示してくれました。スケッチくらいの精度でしょうか。スカルナテ・プレソの星図でことごとくチェック出来ました。
 しかし捜索しながら発見にはほど遠い観測だと思いました。天体写真のような、他の仕事をしながらの掃天ですから、本格的ではありません。発見しようと思うなら、そのことだけに集中しなくては成果が上がらないことは自分でも分っているのです。もっともっと捜索に専心したい、、、、。そのことは重々身に感じているのですが。いまの多様な観測方式ではなかなかできません。彗星発見のみを意識して若き純粋な情熱を捧げたあの頃を懐かしく思います。
 「シャーロック ホームズ」の怪奇小説を読んでいたら、天上にも「ホームズ」があらわれ、奇怪な行動に出ました。シャーロック ホームズの物語はイギリスのロンドンが舞台ですが、星の「ホームズ」の方も、1892年、小説が書かれた頃のロンドンで発見されました。発見の年にも異常な増光があって、アンドロメダ座のM31の側に4~5等星で輝きました。本来が明るい彗星であって、その後の100年間光度を落としていたのか、或いは暗いものが、太陽活動等の影響で、まれに突然明るくなるのか、その点は判然としませんが、恐らく後者の方でしょう。いずれにしても、頭上に明るい彗星が輝く下での捜索は楽しいものです。この日11月12日、23時の50mm双眼鏡による私の観測では、全光度2.6等。コマ30分角。色は青白で尾はわずかに西北に流れているようでした。増光の始まった頃の美しい黄金色のコマとは違った彗星らしいブルーでした。芸西での60cmによるカラーの写真は、近日「芸西天文台通信」のページにてお眼にかけます。

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2007年11月13日 23:00に投稿されたエントリーのページです。

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