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宇宙に浮かぶ奇怪なクラゲ「ホームズ彗星」

 11月11日の朝、2時ごろのイプシロン21cmによる撮影です。
 彗星は、ペルセウス座の1.8等星アルファより明るく写っています。眼視による光度は2.5等で、コマは大きく拡大され、月と同じ30′近くもありました。美しいグリーンです。尾は大勢が太陽との関係であちら側に流れていますから、明確ではありませんが、コマの形からして、やや西に出ているようです。まさに「宇宙に浮かぶ奇怪なクラゲ」です。
 先月末、謎の大爆発を起こしてそれまでの17等級から、一挙に2等星までアップしましたが、これは太陽光の反射だけでは説明できません。恐らく爆発によって、新星現象のように彗星自体が発光を始めたのです。そのエネルギーは測り知れないものがあります。そして、コマの色も、金色から、白、そしてブルーからグリーンへと目まぐるしく変化して行きました。彗星は、普通モーローとしているものですが、コマの輪郭がまるで、お月さんを見るようにくっきりとしていることも異常です。
 この星を発見したのは1892年の、ロンドンの「ホームズ(Holmes)」ですが、この彗星の謎の多い不可解な現象から同じイギリスの怪奇探偵小説「シャーロック ホームズの冒険」のことをふと連想しました。舞台はたしか同じロンドンでしたね。まさに奇怪な事件?の連続です。この彗星は1992年に芸西で再発見していますが、あの時も暗いだけで光度の変化は全く見られませんでした。今回は115年前の出現以来17回目の回帰です。
 さて次回はこの新星現象の如く変化した彗星をカラーでお眼にかけます。私の彗星探索史上このような”事件”は初めてで「関勉の捜査日記」にしっかりと書きとめておきましょう。


ペルセウス座α星のそばのホームズ彗星
17P/Holmes
2007年11月11日2時16分から19分間露出
ε210 21cm F3反射
TX400フィルム

About

2007年11月12日 23:00に投稿されたエントリーのページです。

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