« 明るい人工衛星 | メイン | あれは国際宇宙船でした »

唐人駄馬にやって来ました

 連休中の5月3日、久しぶりに足摺岬にやってきました。
国道を車で走っていると、いつも目にする絶景、それは足摺半島も付け根に近い大岐(おうき)の海岸です。遥か足摺岬に連なる蒼茫たる海と白砂青松の海岸は全く人を寄せ付けないかの様に夢のごとくにかすんでいるのですが、今日は海水浴を楽しむ小さい無数の人影がまるで蟻のごとく浜に海に点在していました。海の魅力に誘われて浜に降りようとしましたが、国道脇の駐車場はあいにくと溢れんばかりの満車でついに諦めて先に向かいました。いつも人影のない、寂しくも美しい海岸の人影は意外でした。

大岐ノ浜
 四万十市(旧、中村市)を通り抜け高知市を出発してから約4時間で目標の遺跡、唐人駄馬(とうじんだば)に到着しました。今から2000年もの昔、唐人の遺品が発掘されたとかいう場所で、それは足摺スカイラインのすぐそばにありました。鬱蒼とした樹海の中に奇妙な形をした巨大の石が、まるでイースタ島のモアイのようににょきにょきと屹立しています。その大きいものはたたみ6畳はあるでしょうか。中には「亀石」と言って亀そっくりの奇岩があったり、剃刀の刃のごとく鋭く研ぎ澄まされて、険しいアルプスの峰の如くに、天に向かってそそり立っているものもあります。そして巨大な岩で出来た洞穴の中に小さな祠が祭ってあって、そこから怪しげな霊気が漂っています。ここには私たちの知らない遠い昔の歴史があるようでした。

唐人石巨石群
 思い出しました。5年あまり昔でした。天文台の岡村、川添両講師と3人でこの付近を探検?したことがあります。そのとき片岡さんとか言うふるい農家のお宅の見事な庭園を見物したことがありました。築山にはここにも奇岩があって、その築山の洞穴を夏至の日に限って太陽の光が抜けるとかで、見に行きました。その日は確か初夏の夏至の日だったように思います。夏とはいえ築山には花いっぱいで鶯の澄んだ泣き声が清らかな高原の風にこだましていました。
 駄馬の遺跡からは広い緑の牧場を越えて遥か足摺の海が見えていました。岬先端の白い灯台が小さくかすみ、その遥か沖を行く白い汽船がまるでおもちゃの如く浮かんでいました。

足摺半島南端の海
 夜になれば頭上にはどのような星空が展開するだろう、と思いながら高原を後にしました。足摺半島には多くのロマンとナゾがある....。まるで桃源郷にでもさかのぼったようなな楽しい一日でした。

About

2007年05月03日 23:00に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「明るい人工衛星」です。

次の投稿は「あれは国際宇宙船でした」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。