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芸西天文台の夜

 昨日、今日と天文台にやってきました。
 夜半過ぎには月が出ますが、実に透明な星月夜で60cm反射望遠鏡による写真掃天の後、久し振りに東天をパトロールしました。東南の空は月があるので避けて真東から東北にかけて捜索しました。
 遠く1967年の2月に2つ目の「関彗星」を発見したのは今東天に輝くヘルクレス座でした。あの頃は12cmの双眼鏡を使って、位置の確認には方位環と高度環を使用して計算によって地平座標から赤道座標に切り替えて位置を出していましたが、今夜はナビゲーターを巧くセットして赤経、赤緯をダイレクトに読み取っています。途中ヘルクレス座のM13が入ったとき、その表示は星図上で非常に良く一致していました。今はあの頃のように11等の彗星の発見は無理かも知れません。しかし長期戦は覚悟の上で日常の日課としての掃天をやっています。
 早くも東北の空から一際明るい「ヴェガ」が顔を出し、壮麗な白鳥の十字架が山並みに大きく横たわるようになりました。
 ああ、なんと美しい天の川だろう!あらゆる観測のなかで、彗星の捜索ほど星空の美観を満喫できるものはありません。
 今年の4月には新潟県で第37回目の「彗星会議」が開かれます。いま捜索している方々と捜索の喜びや苦労、そして未来への希望について話し合いたいです。私も10年やって捜索に敗れた人間です。コメットハンターの苦悩はよく理解しています。

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2007年02月13日 23:00に投稿されたエントリーのページです。

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