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火星兵団

 6月30日は「輪抜けさま」のお祭りです。この日は昔から必ず雨が降ると言われているように雨天の確率の高い日です。近くの石立八幡宮から、昔は笛や太鼓の音が聞こえ、好んでお参りに行ったものですが、この20年は全くご無沙汰しています。昔のように、なんとなく風情が無く、何処にでも見られるようなお店屋さんが立ち並ぶだけで、人ごみの中に入って行くのがつい億劫になってしまったのです。
 ジンクスが外れて雨が降らなっかたこの日、仙台に住む星の人から珍しい贈り物が届きました。それは海野十三(うんの じゅうざ)著の「火星兵団」という本です。この本が出版されたのは遠く今から50年以上も昔のことです。私が小学3年生の頃、毎日系の「小国民新聞」に2年間に渡って連載されました。その頃は火星に生物が居ると多く信じられて居た頃で、私が宇宙と言う者を初めて体験した忘れられない作品です。そしてあれから半世紀以上も経って、芸西で発見した小惑星(12084)に「Unno」と命名し、先日認定されました。いたるところに展開されるスリルとサスペンスは推理小説家のものですが、最後に大彗星が地球に接近し、それを月の摂動に寄って回避さすところの下りなんかさすが科学者としての海野の才が伺われます。海野さんは江戸川乱歩氏の後輩で徳島公園にある彼の顕彰の碑は乱歩の書となっています。
 子供の頃私が愛読した冒険小説の作家には、海野十三のほかに北村小松(きたむら こまつ)、南洋一郎(みなみ よういちろう)、山中峯太郎(やまなか みねたろう)なんかの人が海洋ものや宇宙ものを盛んに執筆し少年少女の血を沸かせました。いまこれらの人を懐かしく思って居られる人も多い事でしょう。
 なお海野が「火星兵団」で取り上げた”モーロー彗星”は彼自身体験した明治時代のハレー彗星がモデルになっていたものと思われます。

海野十三作「火星兵団」を手に


海野十三作「火星兵団」

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2006年06月30日 23:00に投稿されたエントリーのページです。

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