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41P/Tuttle-Giacobini-Kresak

 とっくに梅雨に入っているのですが、なかなか降りません。満月の後の観測を、と思って度々天文台に行くのですが、お天気も完璧ではなく、面白くありません。
 いまタットル・ジャコビニ・クレサック彗星が近日点の近くに在ります。この彗星は1973年に回帰したとき、14~15等の予報が出ていましたが、近日点に近い6月に4等という爆発的な明るさになりました。スミソニアンから問い合わせの電報が各地に発せられましたが、これは新彗星の出現ではなく、当のタットル・ジャコビニ・クレサック彗星が爆発的な増光を見せたものであることが判明しました。然し立派な尾を引いた彗星も日本では梅雨の最中で、観測されませんでした。
 ここで発見者の1人チェコのクレサク博士がこのときの爆発に触れ「恐らく彗星はエネルギーの大半を失ったので、もう再発見は不可能であろう」との見解を発表しました。それから5年余り経ち、1978年の秋11月、発表された予報は15等級で明け方の空でした。彗星はその予報どおりの明るさで芸西で検出されました。金星のすぐそばで、最初は金星のゴーストかと思っていましたが、その後の観測でもチャンと写っていました。いまは1973年に異常に増光したときと同じ6月の近日点の近く。再び同じような変化が見られるかもしれないと、明月の中でも監視を続けています。しかし彗星は14等級の明るさで、足早に立ち去ろうとしています。
 暑くなりましたので、先に村岡さんがエジプト日食に行ったとき買ってきてくださったシャツを着はじめました。胸の字は「セキ」と読むそうです。


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2006年06月13日 23:00に投稿されたエントリーのページです。

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