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月下の彗星花と咲く

 5月10日の夜遅く天文台にやってきました。途中珍しく警察の大規模な検問にかかりました。15年間無事故、無違反の免許証を見せました。「何処へ行かれるのですか?」と言う質問に対して「天文台です」と答えると素性がわかって事は面倒と、ただ「芸西村へ」とこたえて通り抜けました。
 天文台の丘からの太平洋の眺めは、満月に近い月光を浴びて、美しいと言うより壮絶な景観でした。幻想的な青です。その月下の神秘的な光の中に異常増光したシュワスマン・ワハマン3彗星のB核が異様に大きく明るく輝いていました。
 写真は3分間ガイドしたイメージで、地球にいま一番接近して固有運動が早くなっている様子がわかります。核は鋭くコマは扇形に拡がって、極く最近彗星に異常な爆発が起ったような奇観です。このときC核はとテレスコを操って見ると、メインのC核はB核に比べて全くちっぽけで問題になりません。明らかにコマの大きさはB核の5分の3以下。光度も1.5等は暗いようです。明月の中ですからこれが本当で、B核の方が異常なのです。天文台の川添講師は自宅で肉眼で観ました。私は7x50の双眼鏡で楽々と眺めました。若し月が無くなったら恐らく尾も肉眼でありありと見られるでしょう。ズバリ全光度は4.5等!コマ中心部は5等級ですが、全体を集めると結構明るく、4等級でないと肉眼では見えません。双眼鏡では恒星と比較して結構明るい結果を得ます。
 時々発生するむら雲になやまされ、早々と引き揚げました。
 なお眼視観測の時刻は5月11日午前1時30分です。
 今日予定されていた芸西での特別観測会は雨模様のため中止になりました。

シュワスマン・ワハマン3彗星のB核
73P-B/Schwassmann-Wachmann 3
2006年5月11日 1時21分から3分間露出
60cm F3.5反射望遠鏡 TX 400フィルム

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2006年05月11日 23:00に投稿されたエントリーのページです。

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