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ハーシェルの望遠鏡の模型完成

 芸西天文台ではこのところひどい黄砂に悩まされ、ろくに星が見える日がありません。さそり座のアンターレスが肉眼でかすかに見られるような悪い条件の日が続きます。
 そんなとき講師の岡村啓一郎(おかむら けいいちろう)さんがウィリアム・ハーシェルの作った巨大な反射望遠鏡の模型を完成させました。なんでも20分の1の大きさだそうですが、かつての現物が忠実に再現されています。イギリスの過酷な気象条件の中で、ハーシェルは妹のカロリン・ハーシェルを助手として恒星の世界に挑みました。冬の夜は記録するペンのインクも凍ったそうですが、そのような中でカロリン・ハーシェルは6個以上の彗星を発見しています。
 私が3月に岩手県のある牧場を訪ねた時、そこの天文台でヘベリウスの空気望遠鏡を作っていた人がいましたが、それは模型と言うより本物で、対物レンズも10cmF100くらいのとてつもなく長い焦点のレンズを特別に研磨させたそうです。それが観測会の時活躍したと言いますから驚きです。
 ハーシェルの模型の横に写っている鏡は、私が60cm反射望遠鏡ができるまでに、ここで活用した40cmのF5反射望遠鏡で小島鏡です。40cmはすべてが手作りでしたが、1975年頃の白鳥座の明るい新星の撮影から始まり、今接近中の「タットル・ジャコビニ・クレサック彗星」の再発見ほか複数の周期彗星の検出に活躍しました。しかし青板鏡だったのでピント出し他に苦労しました。特にN架台のガイドの悪さ....。

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2006年04月28日 23:00に投稿されたエントリーのページです。

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