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明るさの競い合いをするシュワスマン・ワハマン3彗星のB核とC核

 今夜も黄砂か霞みかの非常に悪い透明度の中天文台にやって来ました。5kmくらい彼方の山が煙って空との輪郭が見えません。そんな中観測を強行しました。
 先の宇都宮省吾(うつのみや しょうご)さんのメールにもありましたように、シュワスマン・ワハマン3彗星のB核の模様が変わっています。それまで細長い尖鋭な核で、コマは非常に拡散して、ついに核の分裂という事態に追い込まれたのですが、小さないくつかの恒星状の核だけが残り、ついには消滅して行くのかと思っていたのですが、「どっこい生きているぜ」と言わんばかりに丸いコマが堂々と輝いているのです。星が天頂付近に来た25時30分には20cm60xRによる私の目測では7.9等、その時C核は逆に0.2等暗い8.1等と見ましたがいかがでしょうか。まるで明るさの競い合いをやっているようです。またしてもB核がわずかながらC核を上まわったわけですが、不思議なことにこの時刻にその現象が起ったような気がしました。本来のC核はフワッとしたB核のコマと違って非常に鋭い尖ったコマで、本来のイメージを失っていません。この日ヘルクレス座にあって、彗星のすぐ側に輝いている恒星は同星座のゼータ星(3等)です。もうそろそろこの恒星とどっこいどっこいの明るさになって欲しかったのですが、恒星の影になったせいか手持ちの双眼鏡では見えませんでした。このままで行けば5月中旬には最高で5~6等星でしょうか?
 この日カラーでも撮影しましたので、いずれこのHPの「芸西天文台通信」にてお目にかけます。

シュワスマン・ワハマン3彗星のC核とヘルクレス座のゼータ星
2006年5月1日1時13分から4分間露出
60cm F3.5反射望遠鏡
トライX 400 フィルム

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2006年04月30日 23:00に投稿されたエントリーのページです。

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