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シュワスマン・ワハマン3彗星のB核に変化が現れました

 モンゴルあたりからの黄砂が16日に上海の街を襲ったニュースがA新聞に出ていました。この日は非常に青く良く晴れていたのですが、その1日後の17日の夕刻から日本にもやってき始めたのか、途端に空は一面の薄雲にでも覆われたかのごとく曇り始め、天文台では西に落ち行く夕日が、まるで白昼見る満月の如くうっすらと山並みにかかっていました。今年は冬型の気候が続いているためか、全く時期外れの黄砂です。夜に入っても同じで1等星がうっすらとして力なく輝いていました。しかしこのような晩でただ1つ良い事はシーイングが抜群に良い事です。ガイド星は針の如く小さな点像となって微動だにしません。惑星の観測にはもってこいの気象条件だろうと思いました。

 さて成り行きが注目されているシュワスマン・ワハマン3彗星ですが、分裂核のB核が、これまで一番明るく本命とされてきたC核より明るくなっていたのですが、やはり崩れ始めたようで、この夜の観測では、約0.5等暗くなっていました。C核の方は20cmで8.3等星として、しっかりと見えていたなですが、B核の方はかすかな8.8等星で核がぼやけて、しかも進行方向に長く伸び、大変見難くなっていました。今、正に分裂しつつあるのかもしれません。薄いですがコマの周りにはガスがボーッと広く取り巻いているようです。つまり芯がなく拡散を始めたのだと思います。写真はほぼ同じ条件で撮ったB核とC核です。C核の丸いしっかりした様子に注目してください。

シュワスマン・ワハマン3彗星のB核
73P-B/Schwassmann-Wachmann 3
2006年4月17日 21時27分から3分間露出
60cm F3.5反射望遠鏡 Acros 100フィルム



シュワスマン・ワハマン3彗星のC核
73P-C/Schwassmann-Wachmann 3
2006年4月17日 21時33分から2分間露出
60cm F3.5反射望遠鏡 Acros 100フィルム

 天文台のドームは先日来、岡村講師とすずめの巣を取り除き、やっと電動で閉まるようになりました。治ってホット一息入れて見上げていましたら、早くも待ちかねたように2羽の雀がスーッと飛んできて、ドームのふところに入りました。私はこのとき「権兵衛が
種まきゃカラスがほぜくる、、、、、」という、昔のことわざを思い出しておかしくなりました。

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2006年04月17日 23:00に投稿されたエントリーのページです。

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