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木村記念館を見学しました

 永い間夢に描いていた旧・水沢の緯度観測所にやってきました。
Z項で有名な木村栄(きむらひさし)博士の活躍した古い建物や「木村記念館」も見学しました。酒井栄氏の案内、国立天文台の亀谷氏のご説明で、今の新しい施設の多くを見学しました。恒星の視差を測る巨大な電波望遠鏡が曇り空の中、宇宙に向って稼動している姿に時代の変遷を感じました。木村記念館には博士が就任当時使っていた古い机がそのまま残されていました。Z項発想はこの机に座っている時、何気なく引き出しを引き出したとき、その中から生まれたといいます。私も同じように座って引き出しを引いてみました。何もありません。そうです"Z"項には特別に理論はなく、XとYからなる観測式に、実験的にZという補正項をつけただけだったのです。それによって観測の結果が他と良く調和する事になったわけで、原理は簡単でも素晴らしい発見です。そして机の上には、木村博士が多くの観測式を最小自乗法で計算する時使用したという五つ球のソロバンが置かれていました。
当時天文台の技師だった山崎正光氏によると博士はソロバンの名人だったそうです。
 あれから80年! 全く同じに復元された清楚な部屋は緯度変化に徹した博士の象徴でもありました。天井の黄色い電灯に照らされた古い机に、何事も一筋に生きる事の大切さを学んだような気がしました。
[木村博士の机に座る関(木村記念館)]
木村博士の机に座る関(木村記念館)

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2006年03月03日 23:00に投稿されたエントリーのページです。

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