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 いま芸西の天文台は

 いま芸西の天文台は「火星観測週間」で連日沢山の観測者で賑わっています。今日も良く晴れ安芸(Aki)市の赤野(Akano)小学校の生徒と引率の先生でドームの中は割れんばかりでした。半月前の月が輝いていましたが空気は良く澄んで美しい星空が展開されました。
 21時前に公開が終って60cm反射望遠鏡と21cmのイプシロンを使っての例によっての二刀流の観測を始めました。2つの観測所は約30m離れており、この両者を20回ほど往復しました。無論写真観測ですが、60cmは自動ガイドが良いので大いに助かります。実際15分放っておいても1″もずれないことが多く、その間に21cmを弄くったり、或いは眼視捜索するゆとりがあるのです。
 60cmは今夜P/2005 U1をはじめ、最近発見された19~20等クラスの微光彗星も狙いましたが、写ったかどうか。夕方の5時に来て朝まで頑張ると流石つかれます。最後は夜明け前の東天を捜索しました。片方では21cmの反射が露出中です。
 タイムを気にしながらしし座付近を見ました。4時半ごろしし座の南の端にNGC3521を引っ掛けました。これは1961fを発見した頃からおなじみでしたが、確かに古い記憶にありました。(私の頭の中の星図帖)。練習に、と思って久し振りに視野のスケッチをやってみました。なかなか難しいですね。あとで星図と同定するために、星図とのスケールを同じにしておくと便利だと思いました。たとえば1度が2cmの星図ならニコンの12cmは3度の視野ですから円の直径は6cmになります。長い間の極道でこのよう初歩的なことまで忘れかけていました。
 暇さえあれば白地のノートを買ってきてコンパスで丸を描いています。おかげげ観測台の机の上も引き出しの中も”丸”だらけです。それを見るたびに捜索への執念は色褪せていないことを感じます。大きい60cmを操りながらも「私はコメットハンターなのだ」と言う意識を自覚しているのです。

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2005年11月07日 23:00に投稿されたエントリーのページです。

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