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 芸西天文学習館春の

 芸西天文学習館春の天文教室です。昼間から非常に良く晴れ、40名余りの方が集まりました。お年よりから小学低学年まで実にバラエティに富んだ年齢層の人たちで、中には数名の高校生も混じっていましたが、昔から星を見に集まって来る人たちは皆礼儀があり真面目でよい人たちだと感心させられます。帰った後、おびただしいスリッパが、下駄箱の中に小さな子供の分まで整然と並べられてあるのを見てホットしました。大人の指導によるものでしょうか。当然の事ながら、今では守られにくくなっているエチケットが星の勉強だけではなく、こうした会によって子供たちに教えられていくことは良いことだと思っています。野外では松木公男講師による星座観察が熱気をおびて面白かった。高齢を理由に引退を公言されながら駆けつけた岡村啓一郎講師のボーデの法則を中心にした惑星の話も氏独特のユーモアがあって聴衆に感動をあたえました。しかし今夜のシーイングの良さはどうした結果でしょうか!!まるで大気がない様に、昔の鮮明なカラーでの上手なスケッチを見るように全く静止し、あの普段は見難いカッシニの空隙がアリアリと見え、タイタンを初めとする幾つかの衛星も手にとる様。このようなことは10年に1回有るかなしかの現象で、この日集まった人は幸せだと思いました。こうして他に木星を見たりして21時まで天体観測を楽しみました。
 「ホウキ星と50年」の冒頭に書いたように、この60cmの望遠鏡を贈った五藤斉三氏は、このように天文台が多くの人によって利用されることを特に願って、観測会の晩には幽霊となって現れ、茂みの影からその様子をきっと眺めて喜んでいるに違いない。深夜天文台を降りるとき暗い小道で白い着物を着た老人と今夜もすれちがうのではないかと怖い気持ちでした。
 「五藤さん!貴方の贈った天文台はこうしていつも立派に役立っています。どうかご安心ください。」
 私は心の中でそう叫びながら足早に山を降りました。

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2005年05月07日 23:00に投稿されたエントリーのページです。

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