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 梅雨入り前の好天で

 梅雨入り前の好天です。少し遅く天文台に向かいました。最近は自動パトロールによる暗い彗星が沢山見つかっていますので、これらを一々観測するのに作業の大半の時間を要します。
 南でのマックノートさんの活躍が光っています。5年余り前、天文台の川添晃(かわぞえあきら)講師がオーストラリアのパースを訪れた際、BAA(大英天文協会)のキャンディさんやマックノートさんに面会しました。そしてマックノートさんからの伝言を伝えて下さいました。マックノートさんは本田実さんの名前を彼の発見した小惑星に付けた人で、実は私もそれを計画していたのですが一歩遅れました。その代わり慧(さとる)夫人のお名前をつけました。彼らは私(Seki)のことを実に良く知っていると川添さんはびっくりしていました。
 さて 本田実さんと言えば今日6月3日、「本田・Bernasconi彗星」をペルセウス座に発見されました。私もそれを意識して夜明け前の30分、捜索に専念しました。本田さん等の発見は4.5等星で肉眼で見つけたそうです。二重星団が視野に入った時、思わずその美しさに息を呑みました。しばし視野を止めて見惚れました。その日発見出来ない可能性が99パーセント以上ある。しかし捜索の醍醐味はこんなところにある。捜索を終ってほのぼのとした気分で黎明の明かりを迎えるのは久々のことです。終ってから9年振りに暁の空に帰って来て輝いているはずの「藤川・デニング彗星」の位置をじっと見つめていました。「ペライン・ムルコス彗星」と同様に滅多に姿を見せない彗星です。東の森にかかって60cmが向きません。

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2005年06月03日 23:00に投稿されたエントリーのページです。

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