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 南方に

 南方にある熱低の影響で雲の多い日でしたが、天文台に来ました。台風18号の襲来を受けて最初の観測となりました。
 芸西に来ると途端に天気は回復し夏にしてはまれな星月夜となりました。
 夕方はC/2001 Q4(NEAT)他既知の彗星を60cmで写真観測し、夜半には衝の位置を掃天しました。
 今日の観測で特筆すべきことは、珍しく”対日照”がアリアリと見えたことです。丁度南天に独り輝いているホーマルハウトと北のペガススとの中間に半径15度の円形に輝いて見え、冬の銀河の最も暗い所の二分の一程度の光芒で、この夜は自然に発見できました。モノクロで撮影を試みましたが、多分表現は困難でしょう。
 1回に30分以上かかる60cmでの撮影を何回かやって、午前4時から東天の捜索にかかりました。幾つかの美しい散開星団を見ましたが、やはり発見にならなくても捜索は素晴らしいと思いました。ボーッとした光芒の中に銀の砂を撒いたようなあの星団の美しさが何時までも心に残っていました。
 昔の長年の経験が今すこしづつ蘇って、一見しただけで彗星と識別できる様になりつつあります。今はガムシャラではなく、マックホルツ氏の手記にあるような毎月少しづつの長期戦です。
 夜が明けかけて金星の強い光と、今はまだ幽かな黄道光の色が印象的でした。太陽に突っ込んで行くC/2004 R2(ASAS)に傍らの21cmイプシロンを向け3分の露出を行いましたら、11等星の非常に拡散したコマが写っていました。追跡は今夜が最後です。一方C/2004 Q2マックホルツの方はしっかりとしたイメージで幽かな尾が写っています。この写真は”芸西天文台通信”のページにのせましょう。日ごとに少しづつ明るくなっており、年末に北上して来るのが楽しみです。

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2004年09月14日 23:00に投稿されたエントリーのページです。

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