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 昨夜遅

 昨夜遅く天文台に来ました。ペルセウス群をかなり長いあいだ注目しましたが、平常より特に多いとは思いませんでした。
 思えば54年前の今日、口径10cmのコメットシーカーを引っさげて、高知市の自宅の屋根上で、彗星の捜索のスタートを切りました。まず自分の影が地面にできるほどの大火球が南天に飛びました。マイナス等級のペルセウス群流星でした。あの頃は今と比べて涼しい夏で、夜風に吹かれながら延々3時間半快適な捜索をやった事を覚えています。1948年の本田彗星から2年後、ようやく19歳の私が本田さんの後を追って発見を目指したわけです。前途の困難も苦労も、そしてまた不運も意識せず、ただひたすら目標に向かって邁進した、あの頃の純朴な自分が懐かしいです。
 今朝は60cmでの観測を終わって、スライドルーフの中で夜明け前の30分東天を捜索しました。早くもオリオン座が昇ってきました。スバルは高く、この付近に100年昔のバーナード第一彗星が行方不明のまま輝いているはずだと思いました。今はコマは飛び貧弱な核だけの姿となって暗い宇宙の中をさ迷っているのでしょう。午前4時、双子座の中にぼうすい状の(5分x10分角)白い雲があたかも彗星のような体で恒星にひっかかっています。それが何と5分も位置と姿を変えないのです。そして段々と南に移行し形を変えていきました。空に大きな雲は有りましたが、この様な小さな雲を見るのは初めてです。
 間もなくシリウスが昇ってくる。
 収穫の秋です。
 そして発見の秋です!

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2004年08月13日 23:00に投稿されたエントリーのページです。

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