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古戦場の夏

 晴れ間の多い梅雨の一日、「池谷・関彗星」思い出の場所を訪ねました。遠くに見える山は、高知市の横内から見た鴻ノ森(こうのもり)です。
 1965年10月22日、近日点を通過した直後の彗星を、前日の蟠蛇の森(ばんだのもり)に次いで観測した場所です。観測はマスコミを通じて一般に公開し、多くの市民が参加しての観測合戦を展開したのです。
 ”古戦場”とはそう言う意味での題目ですが、実は、この山は、実際の古戦場でもあったのです。戦国時代ここに城を構えて立てこもった軍勢は長宗我部元親(ちょうそかべ もとちか)に攻められ、あっけなく落城したのです。こうして遠くから眺めても、お城のあった頃の二の丸、三の丸の跡がはっきりと残されています。
 さて肝心の彗星観測の成果ですが、彗星が近日点を通過して、17時間後に須崎市の蟠蛇の森での観測の成功に続いて、その24時間後には、ここでもその健在な彗星の姿を見ることに成功したのでした。
「おーい、見えたぞーっ」という歓声は天地に木霊(こだま)しました。
 其の頃、常に陣頭に立って指揮していたのは、世にも奇怪な”天文冒険家”の池幸一(いけ こういち)氏でした。彼は彗星が太陽に異常に接近中は、常に誰よりも熱心に見張りました。そして奇妙な”池式投影ボックス”まで作って、特殊な方法で太陽の側の彗星を観測したのです。彼は彗星の発見こそ無かったのですが、常に”縁の下の力持ち”的な存在として、世に貢献したのでした。
 (懐かしき池氏は一体いま何処にあるのだろうか?)。


遠くに見える山が鴻ノ森

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2009年06月25日 20:40に投稿されたエントリーのページです。

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