ホームページへジャンプ


芸西天文台通信<1999年3月16日号>


● リニア彗星(1998M5)が3月15日の夜半に北極点から僅か10’くらいのところをかけぬけました。当日は四国地方が春一番が吹き荒れ夜も雲の騒ぐ荒天でしたが、夜半の22時ころ奇跡的に北極星が見え、そのかたわらにくっついているリニア彗星を見ました。60cmに同架した20cm屈折60×で、かすかな光芒として確認されました。光度(m1)は10.7等、コマは2分角でした。60cm主鏡のモーターを停止し、日周運動を写しました。輝星が北極星で、真の北極との中間あたりに彗星(矢印)がほんのりと小さな光を放っています。

 今から18年の昔、パンサー彗星が同じ所を通っていったのですが、その時の写真と比べてみてください。パンサー彗星は2等ほど明るい8等星で少し尾を引いていました。この2つの彗星は大昔(何万年も昔?)分裂した兄弟でしょうか。


リニア彗星と北極星の写真

リニア彗星(1998M5)と北極星(右上)
1999年3月15日 22時28分から20分間露出
Fuji Super G400 ACEを800に増感

| 中央部のアップ写真 | 彗星の超アップ |

 リニア彗星は画面の中心に小さく点と光っています。その少し左に真の北極点があります。60cm(f=2400mm)反射を北極に向け、モーターを停めて20分間静止撮影をしました。



Copyright (C) 1999 Tsutomu Seki. (関勉)