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佐藤裕久
投稿日時: 2023-8-10 5:50
モデレータ
登録日: 2005-6-12
居住地: 日本
投稿: 2573
オンライン
国立天文台 メールニュース No.246

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 国立天文台 メールニュース No.246 (2023年8月9日発行)
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国立天文台の研究成果やイベント、注目したい天文現象などを、メールでお届けする不定期発行
のニュースです。どなたでも無料でニュースを受け取ることができます。

◇もくじ-------------------
・研究成果:宇宙初期に巨大質量星は存在したのか
・お知らせ:国立天文台 国内各地の特別公開
・天文現象:2023年のペルセウス座流星群
・お知らせ:マウナケア星空ライブカメラの特別配信:ペルセウス座流星群スペシャル
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▼研究成果
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■宇宙初期に巨大質量星は存在したのか

 「初代星」と呼ばれる宇宙で最初に生まれた星々は、水素とヘリウムのみを材料として誕生し
ました。初代星の中の核融合反応や超新星爆発で作り出された新たな元素は、次の世代の天体を
作る材料になり、宇宙に存在する多様な物質形成への第一歩となります。
 初代星はどのような天体だったのでしょうか。初代星には、現在の宇宙にはほとんど存在しな
いような大質量星が含まれていた可能性が、理論的に示されています。とくに、太陽質量の140倍
を超えるような巨大質量の星は、それよりも軽い星が起こす超新星爆発とは異なるメカニズムで
特殊な超新星爆発を起こし、次の世代の星の元素組成にその痕跡を残すと予想されています。こ
のような巨大質量の星が、本当に初期の宇宙に存在したのでしょうか。
 初代星はすでにその一生を終えていますが、まだ生き残っている第2世代の星の特徴から、初代
星の謎を探ることができます。第2世代の候補の星を天の川銀河の中から多数探し出し、元素組成
を詳しく調べる研究が進められました。その結果、ある星の元素組成が、特殊な超新星爆発で作ら
れた特徴を持つことが分かりました。宇宙初期に巨大質量の星が存在したことを支持する結果です。
 次の課題は、このような巨大質量の星が初代星のうちどの程度占めていたのか、詳しく調べるこ
とです。さらに第2世代の星を数多く探し、その元素組成の解析を進めなければなりません。初代
星の謎を解き明かすことは、ビッグバン後の宇宙でどのように星が生まれるのかを理解することに
つながるのです。

▽宇宙初代の巨大質量星の明確な痕跡を発見
https://subarutelescope.org/jp/results/2023/06/06/3275.html


▼お知らせ
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■国立天文台 国内各地の特別公開

 国立天文台の国内各地の観測所では、日頃行っている研究内容やその成果をより多くの方に知っ
ていただくため、研究に利用している望遠鏡や設備を公開する特別公開を開催します。地域イベン
トと同時に開催するものもあり、親しみやすい内容となっています。ぜひご来場ください。

○石垣島の国立天文台施設公開(沖縄県石垣市)
・VERA石垣島観測局 特別公開
 日時: 2023年8月20日(日)10時から16時
 内容:アンテナの紹介、研究解説など
・石垣島天文台 施設公開
 日時:2023年8月19日(土)から27日(日)※この期間の休館はありません
 内容:星空ウィーク観望会(8月19日を除く)など
※「南の島の星まつり」(2023年8月19日から27日に開催)の一環として開催されます。
 ▽南の島の星まつり(石垣市公式観光情報サイト)
 https://ooritoori-ishigaki.com/hoshimatsuri/

○国立天文台水沢 特別公開(岩手県奥州市)
 日時:2023年8月26日(土)10時から20時30分
 内容:講演会、アンテナやスパコン等の施設見学、研究紹介など
※「いわて銀河フェスタ2023」の一環として開催されます。水沢キャンパス内にある奥州宇宙遊学
館は無料開放となります。
 ▽いわて銀河フェスタ2023(国立天文台水沢)
 https://www.miz.nao.ac.jp/content/news/event/20230801-451.html

○国立天文台野辺山 特別公開(長野県南佐久郡南牧村)
 日時:2023年8月26日(土)9時30分から16時
 内容:巨大アンテナをさわってみよう、キーワードラリー、ミニ講演会など
 ▽特別公開2023(国立天文台 野辺山宇宙電波観測所)
 https://www.nro.nao.ac.jp/visit/open2023/


▼天文現象
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■2023年のペルセウス座流星群

 毎年8月中旬には、三大流星群の一つである「ペルセウス座流星群」の流星が多く見られます。
 2023年のペルセウス座流星群の活動は、8月13日午後5時頃に極大になると予想されています。日本
では、8月13日の夜半頃から14日の明け方近くにかけて、最も多くの流星を見ることができるでしょう。
また、この前後の11日夜から14日夜までの期間は、ふだんより目立って多くの流星が見られそうです。
いずれの日も、夜半過ぎから明け方の時間帯に月が昇ってきますが、下弦を過ぎた細い月のため、
月明かりの影響はほとんどなく、良い条件で流星を観察できます。
 詳しくは、「ほしぞら情報」の「ペルセウス座流星群が極大(2023年8月)」をご覧ください。

▽ほしぞら情報:ペルセウス座流星群が極大(2023年8月)
https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2023/08-topics03.html
▽流星群
https://www.nao.ac.jp/astro/basic/meteor-shower.html


▼お知らせ
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■マウナケア星空ライブカメラの特別配信:ペルセウス座流星群スペシャル

 夏の夜空を彩るペルセウス座流星群。そのYouTubeライブ配信「マウナケアの夏 ペルセウス座流星
群スペシャル2023」を、ハワイの8月11日夜から13日の夜まで(日本では8月12日から14日午後まで)、
朝日新聞宇宙部と共同で開催します。
 最も多く流星の出現が予想されるハワイの13日夜には、マウナケア山頂域で定常運用している「星
空ライブカメラ」のほか、マウナケア中腹のオニヅカビジターセンターの近くなどにもカメラを設置
して、特別にライブ配信を行う予定です。
 世界屈指のマウナケアの空に降る流星を、ぜひライブ配信でお楽しみください。

▽「マウナケアの夏 ペルセウス座流星群スペシャル2023」―星空ライブカメラによる特別配信を開催!―
https://subarutelescope.org/jp/news/announcements/2023/08/03/3288.html
▽星空ライブカメラ(YouTube朝日新聞宇宙部)
https://www.youtube.com/@astroasahi


◇編集後記-----------------
猛暑が続いています。せめて夕涼みを…と思っても、夜もなかなか気温が下がりません。暑くても、ペ
ルセウス座流星群極大の夜には空を見上げたいものです。涼しい場所から離れられないという人は、星
空ライブカメラでお楽しみください。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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発 行:国立天文台 天文情報センター 広報室
発行日:2023年8月9日

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