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佐藤裕久
投稿日時: 2025-4-30 23:59
モデレータ
登録日: 2005-6-12
居住地: 日本
投稿: 2661
オンライン
国立天文台 メールニュース No.253
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 国立天文台 メールニュース No.253 (2025年4月30日発行)
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国立天文台の研究成果やイベント、注目したい天文現象などをメールでお届け
する不定期発行のニュースです。どなたでも無料でニュースを受け取ることができます。

◇もくじ-------------------
・話題:日本天文遺産に2件が認定されました
・話題:科学技術分野の文部科学大臣表彰を国立天文台の研究者が受賞
・お知らせ:「ふれあい天文学」今年度の実施校を募集中
・お知らせ:画像集『すばる望遠鏡 宇宙の神秘を探る』刊行
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▼話題
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■日本天文遺産に2件が認定されました

 国立天文台所轄の建造物等2件が、第7回(2024年度)「日本天文遺産」に認定され
ました。野辺山宇宙電波観測所内にある「三鷹200MHz太陽電波望遠鏡」と、水沢VLBI
観測所内の「臨時緯度観測所本館(木村榮記念館)」です。
 「三鷹200MHz太陽電波望遠鏡」は日本最初期の太陽電波望遠鏡で、1949年に東京大
学東京天文台(現在の三鷹キャンパス)内に完成しました。戦後間もない頃、必要な
資材の確保が難しいなかで工夫をこらしながら完成に至りました。長い年月で朽ち果
てながらも廃棄処分を免れたこの望遠鏡の部材は、有志の手によって野辺山キャンパ
スに運び込まれ、2007年8月にみごとに復元されました。この復元された電波望遠鏡
の姿は、野辺山キャンパスで見ることができます。
 「臨時緯度観測所本館」は、1900年に現在の水沢キャンパス内に完成しました。臨
時緯度観測所は、万国緯度観測事業のために、北緯39度8分の地に設けられた世界6カ
所の観測所のうちの一つです。1920年に「緯度観測所」に名を改め、1988年には国立
天文台の一観測所となりました。この本館の建物は、初代所長の木村榮(きむらひさ
し)の名を冠した「木村榮記念館」として、現在は一般の見学者に公開されています。
また、国の登録有形文化財にも指定されています。
 
 日本天文遺産は、歴史的に貴重な天文学・暦学関連の遺産を大切に保存し、文化的
遺産として次世代に伝えその普及と活用を図るために、日本天文学会が認定している
ものです。国立天文台所轄の事物としてはこれまでに、三鷹キャンパスの「6mミリ波
電波望遠鏡」、水沢キャンパスの「臨時緯度観測所眼視天頂儀及び関連建築物」、三
鷹キャンパスの「レプソルド子午儀及びレプソルド子午儀室」が、日本天文遺産とし
て認定されています。

▽日本天文遺産に、200MHz太陽電波望遠鏡と臨時緯度観測所本館が認定
 https://www.nao.ac.jp/news/topics/2025/20250317-astronomical-heritage.html
▽日本天文遺産 認定一覧(日本天文学会)
 https://www.asj.or.jp/jp/activities/designation/heritage/recipients/


■科学技術分野の文部科学大臣表彰を国立天文台の研究者が受賞

 令和7年度 科学技術分野の文部科学大臣表彰を、国立天文台の研究者が受賞しまし
た。受賞者は次のとおりです。
 ○若手科学者賞
  片岡章雅(かたおかあきまさ)科学研究部 助教
  藤井友香(ふじいゆか)科学研究部 准教授
  菊地翔太(きくちしょうた)RISE月惑星探査プロジェクト 助教
 ○科学技術賞(理解増進部門)
  縣秀彦(あがたひでひこ)天文情報センター 准教授
  平松正顕(ひらまつまさあき)天文情報センター 講師
 
 それぞれの受賞対象となった業績等については、国立天文台ウェブサイトで紹介し
ています。
 科学技術分野の文部科学大臣表彰は、科学技術に関する研究開発、理解増進等にお
いて顕著な成果を収めた者を表彰する制度です。令和7年度の表彰式は、2025年4月15
日に文部科学省(東京都千代田区)にて執り行われました。

▽科学技術分野の文部科学大臣表彰を国立天文台の研究者が受賞
 https://www.nao.ac.jp/news/topics/2025/20250415-award.html
▽令和7年度科学技術分野の文部科学大臣表彰受賞者の決定等について(文部科学省)
 https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/mext_01503.html


▼お知らせ
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■「ふれあい天文学」今年度の実施校を募集中

 国立天文台の研究者が国内外の小中学校で天文・宇宙をテーマにした授業を行う
「ふれあい天文学」を、2025年度も実施します。2010年度から開催している「ふれあ
い天文学」は、例年40名を超える天文学者等が、星や宇宙の話題を全国の教室に届け
ている大人気の事業です。
 現在、2025年度の実施校を募集中です。募集の締め切りは2025年5月31日です。応
募方法や内容についての詳細はウェブサイトをご覧ください。
 この事業は、「国立天文台基金」によって実施されています。天文学の魅力を後世
に伝える取り組みを継続していくため、皆様のご理解とご支援をよろしくお願いいた
します。

▽出張授業「ふれあい天文学」2025年度の実施校を募集中
 https://www.nao.ac.jp/news/topics/2025/20250403-fureai.html
▽国立天文台基金
 https://www.nao.ac.jp/support/


■画像集『すばる望遠鏡 宇宙の神秘を探る』刊行

 2024年、すばる望遠鏡はファーストライトから25周年を迎えました。この25周年
を記念して、国立天文台ハワイ観測所の研究者と広報チームが企画した画像集『す
ばる望遠鏡 宇宙の神秘を探る』(国立天文台ハワイ観測所 編著)が、3月28日に
刊行されました。
 超広視野主焦点カメラ「ハイパー・シュプリーム・カム」(HSC)で撮影された
天体画像を中心に、歴代の観測装置で捉えられた美しい天体画像の数々が収められ
たたいへんボリュームある冊子となっています。ぜひ手に取ってじっくり眺めてい
ただきたい一冊です。
 この画像集に収めた天体画像の一部は、すばる望遠鏡ウェブサイトのギャラリー
でも公開されています。
 
▽すばる望遠鏡25周年記念画像集が発売されます(すばる望遠鏡)
 https://subarutelescope.org/jp/news/topics/2025/03/06/3523.html
▽画像集『すばる望遠鏡 宇宙の神秘を探る』(株式会社クレヴィス)
 https://crevis.co.jp/publishing/the_subaru_telescope/


◇編集後記-----------------
桜前線が日本列島をどんどん北上して、今は水沢が散り始めの頃でしょうか。今回
は、水沢の臨時緯度観測所本館、野辺山で復元された太陽電波望遠鏡が、日本天文
遺産に認定された話題をお届けしました。先日封切られたアニメ映画の舞台となっ
た野辺山宇宙電波観測所が、いま注目を浴びています!聖地巡礼の折りには、ぜひ
日本天文遺産にもご注目を。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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発 行:国立天文台 天文情報センター 広報室
発行日:2025年4月30日
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