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投稿者 スレッド
ゲスト
投稿日時: 2007-1-28 10:14
昼間に見えたマックノート彗星とマスコミ報道
 上原 貞治です。

(管理人様へ、タイトル先頭に全角スペースを入れたにもかかわらず
文字化けしてしまいましたので、テストをかねて再送させていただ
きました。以下の内容は前のスレッドと同じです)

 今回のマックノート彗星は昼間の空に尾まではっきり見られたという
大彗星になりましたが、見逃した方も多かったのではないかと思います。
田辺様の書き込みも拝見いたしました。私も、この彗星は日本では
見られないものとしてマークしていませんでした。天文雑誌や当ホーム
ページでの1月8日の佐藤様の情報、そして13日のSOHOのwebの情報を見てい
なかったら私も完全に見逃していたと思います。

 私は、この最大の原因は今回の彗星に関してまったくと言っていいほど
マスコミの報道がなかったことだと思います。私は、近日点の通過以前も
以後も、新聞、TVでこの彗星に関する報道に触れることはありませんで
した。私の見ていないところで報道していたかもしれませんが、異様に
報道が少なかったことには変わりないと思います。今、webで検索してみても、
大手のマスコミ発信の情報は見あたりません。せめて、1月11日頃の段階で、
昼間の空に見られる可能性があることを指摘してくれればよかったのでは
ないかと思います。

 しかし、私は、半ば意図的に報道が抑えられたのではないかと推測します。
その根拠は、国立天文台の1月12日のアストロ・トピックスで、この彗星が
昼間の空に観測できる可能性が紹介されず、逆に「太陽のすぐそばなので、
眺めることはできません」と断定的に否定的に書かれているからです
(双眼鏡や望遠鏡を使って天体を見ることを「眺める」とはいわない、という
のなら話は別ですが)。実はすでに10日に昼間の空で撮影もされていました
(小石川氏、仙台市天文台、15cm屈折)。それは「肉眼で見える可能性が
低かった」ということがあるのかもしれませんが、最大の理由は「初心者が
双眼鏡で太陽の近くの彗星を見ようとすると危険だ」という気持ちが働いた
のではないかと考えます。なんとなく一種の報道管制がしかれたような気が
します。また、1月13日以降この大彗星出現に関する話題をアストロ・トピッ
クスが取り上げていないのも不自然に感じられます。

 「国立天文台が報道管制をしいた」とまでは申しません。しかし、国立天文台
の発信するコメントやニュースが天文現象のマスコミ報道に大きく影響している
ことは既知の事実です。国立天文台や公共天文台が非常に苦労して一般向けの
天文現象の紹介記事をつくっていらっしゃることはじゅうじゅう承知しています。
しかし、今回はやはり問題があったのではないかと思います。

 太陽の近くで金星なみの明るさになる天体を「眺めることができない」という
のは明白に科学的に誤った記述です。現に、金星は内合のころでも、太陽からの
離角が数度以上あれば口径10cm以下の天体望遠鏡で楽に見られます。目盛環を
使えば比較的安全に導入できます。また、肉眼で見られる可能性が低かったという
のはその通りですが、そのわりには昨年の73P/S-W3彗星はかなりの報道がなさ
れました。夜空を一生懸命に探したにもかかわらず、肉眼でまったく見えず
がっかりした人も多かったのではないかと想像します。私もS-W3彗星を双眼鏡で
見ましたが、今回の昼間のマックノート彗星の方がよく見えました。

 確かに、万が一にも太陽を双眼鏡などで見てしまうとたいへん危険なので、
報道をしないということはひとつの安全策として有効であることはその通りで
しょう。しかし、だからといってまったく報道しないのもどうかと思います。
また、アストロ・トピックスで意図的に上のような誤りである記述をしたのだと
したら、それは論外です。

 金星より明るい彗星が現れて昼間の空に見られる(そして見られた)という
ことがマスコミ報道されなかったということは天文学界においての大きな損失
でした。昼間の青空に見える彗星が現れる、と事実が、多くの人々の夢をかきたて
天文学の果てしない魅力へと導くものであることは、本掲示板の関先生のご著書に
ついての投稿に拝見するように、まったく間違いのないところです。非常に残念で
あったと思います。SOHO衛星の画像を見ることが推奨されたのかもしれませんが、
彗星を人工衛星が撮った画像を見るのと自分の器械で導入して見るのとでは、
オリンピックをテレビで見るのと、実際に出場するくらいの差があります。

 太陽を見てしまうと大変危険なので初心者は観測を試みないように、という断りを
入れて報道し、腕に覚えのある人には観測を呼びかけるべきであったし、実際に
昼間の空に双眼鏡で見られたことも一般に報道するべきだったと思います(肉眼で
見た人もいるそうですね)。もし、初心者がまねすると危ないから事実であっても
報道しない、ということであったのなら、冬山登山や自動車レース、K−1など
危険なスポーツの報道もいっさいやめるべきでしょう。
ゲスト
投稿日時: 2007-1-31 22:01
Re: 昼間に見えたマックノート彗星とマスコミ報道
この彗星は主に北半球高緯度観測者らから、昨年中旬以降の状況がメーリングリストに報告されていましたので、年明けすぐから観測体制を整えることができました。
アストロアーツでも連日ページが更新されていて、門田氏が年明けすぐに撮影したCCD映像なども公開されていました。
しかし、マスコミや国立天文台の対応は鈍いものでした。
この原因としては、天体観測者でない人が安易に彗星観測を試みて網膜熱傷を起こすことを懸念するとともに、報道責任を問われることを恐れる心意が働いたものと推測します。
徳島の新聞社などごく僅かの新聞社が報道したに過ぎませんでしたからね(^^;;;;
ゲスト
投稿日時: 2007-2-2 20:44
マスコミ報道
 どうも、コメントありがとうございました。
 あるレベル以上の観測者向けには十分情報は出ていたということですね。
 マスコミについては、やはりそのようにお考えですか。報道責任ですか...
 天体観測の報道にガイドラインはないでしょうから、やはりマスコミには、
ケース・バイ・ケースで処理していただくしかないでしょう。
でも報道機関に十分な判断能力があるか疑わしいです。天体が太陽から何度
離れていたら安全か、というのは観測の経験のある人でなければ無理です。
初心者が見る場合は、指導者のレベルにも大きく影響されます。おそらく
「報道責任」を感じるべきかどうかの判断すらできなかったのではないかと
思います。(今回のマックノート彗星の場合は、文句なく危険でしたけれども)
 やはり、国立天文台のようなところが、安全に関する情報も
含めて懇切に
報道機関に情報を提供すべきであったと思います。       (上原 貞治)
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