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     反復新星のへびつかい座RSが15年ぶりに新星爆発
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佐藤裕久
投稿日時: 2021-8-10 0:15
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反復新星のへびつかい座RSが15年ぶりに新星爆発

                            VSOLJニュース(378)

               反復新星のへびつかい座RSが15年ぶりに新星爆発


                                            著者:前原裕之(国立天文台)
                                    連絡先:hiroyuki.maehara@nao.ac.jp

  新星は、白色矮星と低温度の主系列星ないし赤色巨星から成るの連星系で、
低温度星から白色矮星へ水素が流れ込み、白色矮星の表面に降り積もった水素
がある臨界量を超えると爆発的な核燃焼を起こし、非常に明るくなる現象であ
ると考えられています。新星爆発では白色矮星の表面に積もった水素だけが飛
び散るので、爆発後も白色矮星と低温度星は健在です。そのため、一度新星爆
発を起こした後、しばらくすると白色矮星の表面には低温度星から流れ込んだ
水素が降り積もり、爆発を起こすのに十分な量になれば再び新星爆発を起こす
と考えられています。典型的な新星の場合、一度爆発してから再び爆発するま
でには数千年から十万年程度の時間がかかるとされており、普通の新星では人
間の一生の間程度の時間では、同じ星が複数回の新星爆発を起こすのを見るこ
とはできません。ところが、新星の中にはごく少数ですが、新星爆発を1年から
数十年程度の間隔で繰り返す天体も見つかっており、これらは「反復新星(※1)」
と呼ばれています。銀河系内ではさそり座U(vsolj-news 012)やらしんばん座T
(vsolj-news 268)、いて座V3890(vsolj-news vsolj-news 357)など、10個程度
が知られています。このほど2006年2月の新星爆発(vsolj-news 150)以来15年ぶ
りに新星爆発を起こしたへびつかい座RSも、このような反復新星として知られ
ていた天体です。

 へびつかい座RSは1901年にW. P. Fleming(女性天文学者でHDカタログの編纂な
どの業績でも有名)によって、当時ハーバード大学天文台で行われていた写真に
よる変光星サーベイから、1898年6月に増光を起こした変光星として発見されま
した。この天体はその後も1933年、1958年、1967年、1985年、2006年にも新星
爆発を起こした事が知られており、普段は11等前後の明るさのこの天体が新星
爆発を起こすと4等級まで明るくなります。これまでの研究から、この天体は太
陽の1.35倍程度の質量の白色矮星と赤色巨星から成る軌道周期453.6日の連星系
であることが分かっており、共生星としても知られています。

 今回の新星爆発では、ベルギーのE. MuyllaertさんやアイルランドのK. Geary
さん、ブラジルのA. Amorimさんらによって、日本時間8月9日朝の8月8.91-8.93
日(世界時; 以下同様)にへびつかい座RSが5等級に明るくなったが発見されまし
た。さらに、その後の観測から9.124日には4.8等ほどまで明るくなったことが
分かりました。日本時間8月9日夜にはほぼ極大光度に近い4等台から5等程度の
明るさで見ることができると思われます。このほか、フェルミ ガンマ線宇宙望
遠鏡の観測によると、この天体が新星爆発にともなってガンマ線でも明るなっ
たことも報告されました。今後の明るさの変化などが注目されます。

                                                        2021年 8月 9日

参考文献
cvnet-outburst 753
vsnet-alert 26131
CBET 5013
Cheung, C.C., et al., 2021, ATel #14834

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