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佐藤裕久
投稿日時: 2024-12-6 21:28
モデレータ
登録日: 2005-6-12
居住地: 日本
投稿: 2585
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国立天文台 メールニュース No.250
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 国立天文台 メールニュース No.250 (2024年12月6日発行)
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国立天文台の研究成果やイベント、注目したい天文現象などをメールでお届けする不定期発行のニュースです。どなたでも無料でニュースを受け取ることができます。

◇もくじ-------------------
・話題:新天文学専用スーパーコンピュータ「アテルイIII」が始動
・お知らせ:理科年表 2025 刊行
・天文現象:12月8日は土星に注目
・天文現象:12月中旬、ふたご座流星群が活発に
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▼話題
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■新天文学専用スーパーコンピュータ「アテルイIII」が始動

 国立天文台は、2018年から運用を続けてきた天文学専用スーパーコンピュータ「アテルイII(ツー)」に替わり、新たにHPE Cray XD2000システムを導入しました。この新システムの愛称は、前システムを引き継ぎ「アテルイIII(スリー)」と名付けられ、2024年12月2日より国立天文台 水沢キャンパス(岩手県奥州市水沢)にて運用を開始しました。
 アテルイIIIは、1.99ペタフロップス(注)の総理論演算性能を有し、メモリバンド幅を重視した「システムM」と、メモリ量を重視した「システムP」とで構成され、それぞれ得意とする計算が異なります。このような2種類のシステムを用いて運用することで、多様なシミュレーションにおいてアテルイIIよりも計算速度の向上が見込まれ、さまざまな天体現象を検証するための「理論天文学の実験室」としてのさらなる活躍が期待されます。

 注:フロップス(flops)は計算速度の単位。1ペタフロップスは1秒間に1千兆回の演算ができることを意味する。

▽新天文学専用スーパーコンピュータ「アテルイIII」始動!
 https://www.cfca.nao.ac.jp/pr/20241202


▼お知らせ
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■理科年表 2025 刊行

 『理科年表』(国立天文台編)は、暦、天文、気象、物理/化学、地学、生物、環境の7部門からなる科学全般を網羅したデータブックです。その2025年版が刊行されました。
 暦部トピックスでは、土星の環がほとんど見えなくなる「環の消失」を取り上げています。
 天文部トピックスでは、近年盛んなPeV(ペタ電子ボルト)レベル宇宙線の起源探索など「銀河宇宙線の起源の解明に向け」た研究について、また、GALAXY CRUISE(ギャラクシークルーズ)やCOIAS(コイアス)といった、市民の活躍で成果を上げる「すばる望遠鏡ビッグデータを使った市民天文学」について、解説しています。
 気象部・物理/化学部・地学部でも、最新の観測や知見に基づきデータを追加・更新しました。生物部では2024年のノーベル生理学・医学賞で話題となったマイクロRNA分子など「ヒト内因性小分子RNAの機能と医療への展開」について、環境部ではヒトの言葉の起源を探る「コミュニケーションから言葉へ:言葉の歌起源説」について、それぞれトピックスで取り上げています。

 理科年表は多数の研究機関の協力の下に国立天文台が編さんする、日本で最も信頼されている「自然界の辞典」です。大正14(1925)年に創刊されましたが、第2次世界大戦中に休刊していた時期があり、今号が第98冊となります。創刊号から最新号までのデータを集録した『理科年表プレミアム 個人版』もぜひご利用ください。
 理科年表オフィシャルサイトでは、これまでのトピックスやその後日談を紹介する「りかトピ」や理科年表紙面を補う「プラスα(アルファ)」などを掲載しています。環境年表を授業に活用するためのワークシートなども公開していますので、ぜひご活用ください。

▽理科年表オフィシャルサイト
 https://official.rikanenpyo.jp/


▼天文現象
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■12月8日は土星に注目

 12月8日、上弦前の月が土星を隠す「土星食」が日本の広い範囲で見られます。太平洋側の一部地域を除く北海道、東北地方北部の一部地域、中国地方から宮崎県・鹿児島県の南東部を除く九州地方にかけては、土星は月に隠されず、月と土星の大接近が見られます。
 土星は、月の明るい側と暗い側の境界からわずかに暗い側に入った縁(暗縁)に隠されます。土星のような惑星は、望遠鏡で拡大すると分かるとおり、点ではなく大きさがあるため、月にその一部が隠され始めてからすべてが隠されるまでに1分以上の時間がかかります。少しずつ姿が見えなくなるその様子を、双眼鏡や望遠鏡を使って観察するとおもしろいでしょう。
 この土星食について、詳しくは国立天文台ウェブサイトの「ほしぞら情報」をご覧ください。土星食が見られる地域について、詳しくは暦計算室ウェブサイトの「惑星食各地予報」で調べることができます。

▽土星食(2024年12月)
 https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2024/12-topics02.html


■12月中旬、ふたご座流星群が活発に

 毎年12月中旬には、三大流星群の一つである「ふたご座流星群」が活発に活動し、ふだんよりも多くの流星が見られます。
 今年は12月14日午前10時頃に、ふたご座流星群の活動が極大を迎えると予想されています。最も多くの流れ星が見られるのは、13日夜から14日明け方にかけてでしょう。流星群の放射点があるふたご座が昇ってくる夜9時ころから流星が見え始め、放射点が空高く昇る深夜には、夜空が十分に暗い場所で観察した場合、1時間あたり30個程度の流星が見られそうです。14日午前3時から5時頃にはさらに多くの流星が見られることが期待されます。
 ただ、満月前の月が夜空を明るく照らすため、月明かりが流星観察の妨げになります。月を直接見ないように工夫して観察しましょう。
 今年のふたご座流星群については、国立天文台ウェブサイトの「ほしぞら情報」をご覧ください。

▽ふたご座流星群が極大(2024年12月)
 https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2024/12-topics03.html


◇編集後記-----------------
2月1日発行のNo.249以来の発行となります。長い期間お休みしてしまい、たいへん申し訳ありませんでした。例年よりも暖かな12月を迎えています。新スパコン「アテルイIII」のお披露目を行った水沢キャンパスも、当日は冬とは思えない穏やかな天候でした。今シーズンはどんな冬になるのでしょうか。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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発 行:国立天文台 天文情報センター 広報室
発行日:2024年12月6日

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