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芸西天文台通信<2013年12月31日号>


いまは幻の「アイソン彗星」

 明け方の北の空に、アイソン彗星の描くはずだったコースが見えてきました。早速70cmの主鏡を向けてみました。
 写真を見ると、かなりの速いスピードで北上している様子がうかがえます。しかし写真は空虚です。今頃は本来なら、きっとこの写真の中央にどっしりと構えた核と、扇形の美しい尾を曳いた彗星が居たことでしょう。
 ”北の雪山の嶺に輝くアイソン彗星”そのような姿を見たかったのは私一人ではありますまい。
 この写真の中を良く注意すると、崩壊して微粒となった彗星の残骸が運行しているかも知れません。しかし、それはとてつもなく暗いでしょう。
 主の居ない彗星の軌跡はこれからどんどんと天の北極に近づいていきます。


消滅したアイソン彗星(C/2012 S1)に向けて

2013年12月30日 10時10分から5分露出
70cm F7反射望遠鏡 + Nikon D700, ISO-2000
Copyright (C) 2013 芸西天文学習館 (Geisei Observatory)




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