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芸西天文台通信<2009年4月18日号>


C/2009 F6 (Yi-SWAN)

 朝方の北天、カシオペヤ座を東進中のC/2009 F6ですが、非常に低い位置で、間もなく夕方の方が見やすくなるでしょう。非常に拡散しており、芸西の70cm F7では、大変に写りが悪いようです。こうしたモーローとした天体は口径の大小にかかわらず、写り具合は鏡のF値によって決まります。70cmあってもFが暗いと像が拡散されることになり、こうした彗星は10cm F7も70cm F7も写りは同じということになります。(極端な言い方ですが)。
1965年に「イケヤ・セキ彗星」が極度に拡散して遠くなっていくとき、35mm F2の標準レンズに写ったのに、堂平の91cm F5の大口径に写らなかった、という滑稽が起こったことがあります。拡散状の天体には、程度にもよりますがFの暗い大口径は弱いですね。下の彗星は眼視的ですが、70cmでやっと写りました。
 芸西は彗星天文台ですから、製作の時、F5を指定し設計図もそうなっていましたが、出来てきたのは密かにF7より暗い光学系で、これはいまだにメーカーによって改善されていません。
(関 勉)。
    CK09F060   2009 04 12.79826 00 49 08.32 +56 19 38.5          12.5 N      372
    CK09F060   2009 04 12.80139 00 49 09.84 +56 19 40.1                      372
    CK09F060   2009 04 12.80521 00 49 11.90 +56 19 42.8                      372
    CK09F060   2009 04 12.80868 00 49 13.63 +56 19 44.6                      372
    CK09F060   2009 04 18.79549 01 40 20.03 +56 34 07.2          12.7 N      372
    CK09F060   2009 04 18.79826 01 40 21.45 +56 34 06.3                      372
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