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芸西天文台通信<2008年12月15日号>


6P/d'Arrest, 22P/Kopff, 29P/Schwassmann-Wachmann 1, 33P/Daniel, 68P/Klemola, 144P/Kushida

 今回はナンバードの周期彗星ばかりの観測です。
 6Pのダレ彗星は、南天に低く、依然拡散状で、明るく見えています。
 29Pのシュワスマン・ワハマン彗星は、淡い光芒が非常に大きく拡散していることが分かりますが、Fの暗い70cmには中心核のみが写ります。
 次に144P/串田は意外と明るくなってきましたので、別にフィルムで写してみました。20cmくらいの反射で見えそうです。
 また板垣氏と金田氏により再発見された205P/ジャコビニ彗星は依然として14等級の明るさを保っており、60”くらいのきれいな尾を引いています。このような明るく立派な彗星が約一世紀にわたって行方不明になり、見つからなかったのは不思議ですね。また、そこが彗星の面白いところかも知れません。
 さて85P/ボーチンですが、近日点通過の一日前の日に捜索しました。この日は8等級になっているはずで、当然70cmには明るすぎるくらいに反応しなくてはなりませんが、全く影がありません。もっとも、予報のセンターのみを撮影したのではなく、もしやということで、近日点の変化が+3日から-2日まで、彗星のバリエィションに沿って写していきました。この彗星は1975年と1986年の二回の接近期に観測されていますから、そんなに大きいずれはなく、恐らく多少の非重力効果による誤差が考えられる程度だろうと思います。従って12月15日の捜索で、完全にカバーしたものと思います。しかも8等星です!1975年の初発見の時には芸西でも40cmで観測し、位置の測定をしましたが、イメージは今にも消えそうな、貧弱な姿だったような気がします。やはり消えたのでしょうか?それとも彗星によく見られるように、近日点を通過した後、突然に増光してくるのでしょうか?その万に一つの可能性にかけて、今後も捜索しましょう。

144P/Kushida
2008年12月19日 20時00分から3分露出
70cm F7反射


0006P          2008 12 15.43507 00 36 18.33 -21 36 54.8          16.3 T      372

0022P          2008 12 09.85816 14 33 36.06 -11 18 01.4          16.1 T      372

0029P          2008 12 07.72101 08 18 17.75 +23 00 46.5          16.1 N      372
0029P          2008 12 09.76250 08 17 45.02 +23 01 57.0          16.0 N      372

0033P          2008 12 07.77049 11 18 26.64 +30 44 19.6          19.0 N      372

0068P          2008 12 15.38490 19 39 56.61 -15 50 07.5          15.0 T      372

0144P          2008 11 24.64236 03 21 12.84 +19 43 15.8          14.5 T      372
0144P          2008 12 02.71354 03 18 32.12 +18 38 00.5          13.7 T      372
0144P          2008 12 15.45573 03 18 19.22 +17 04 16.7          13.1 T      372

 70cm L f7+Nikon D-200  T.Seki  K.Muraoka  S.Shimomoto                       
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