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芸西天文台通信<2007年9月13日号>


クロムメリン彗星の思い出と過去のデータ

 クロムメリン彗星は忘れられぬ彗星です。
 思えば1956年、私が彗星の捜索家として最初に独立発見した彗星だからです。秋冷の朝、まだ明けきらぬ町を自転車に乗って朝もやを突き、電報局に行ったことでした。
 発見したのは午前4時。しし座流星群の放出点の近くで、10等星でした。
 それから28年の歳月が流れ、再び回帰してきた時には、私は芸西の天文台で、60cmの反射鏡を携えて、この彗星を迎えたのでした。
 そのときの観測に未発表のものがありましたので、ここに掲載いたします。
 27P/Crommelin                                        
1984UT           R.A.(2000.0)Decl.       m1          
Feb.20.42861  01 04 39.48  +00 23 00.6     9.0      372
    29.42326  01 55 40.33  -03 07 14.7              372
    29.42743  01 55 41.86  -03 07 21.7     8.5      372
    29.44514  01 55 48.04  -03 07 48.8              372
Mar.26.44063  04 39 15.54  -14 42 36.1    15.0      372
 当時は星数の大変に少ないSAOのカタログを使用しての測定ですから必ずしも良い結果とは言えません。今回同じ観測もダブッて測定しました。
 あと4年ほどで再び、三度帰って来ます。今度はどの様に接近して来るのか、そして明るくなるのかが楽しみです。
 以上の古い観測はスミソニアンのセンターに送っていません。日本の計算者のお役に立てば幸いです。
 今後もこうした過去の未測定の観測を出していきます。


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