芸西天文台通信＜2007年9月9日号＞

マックホルツ氏からの便り, C/1988 P1 (Machholz)の写真

　アメリカのコメットハンターとして有名なD.マックホルツ氏がオーストラリアの加藤英司氏を通じて彼の発見したマックホルツ彗星C/1992 N1の写真が欲しい、と言ってこられました。何しろ15年も前の写真で、しかも非常に悪い条件下で撮影した芸西の写真です。観測期間は一週間に届かず、しかも軌道決定の為の精測観測はたった9個、しかもその内の2個は役に立たない悪い観測です。
　芸西の観測は1992年7月9日と10日に2個ずつで、余りにも少ないので、私も探し出してもう一回精密測定をやり直したいと、古い倉庫をひっくり返して何千枚というネガやプリントを探しましたがついに見つかりませんでした。
その代わりマックホルツ氏が発見したC/1978 R3とC/1988 P1の2つの写真が見つかり彼に送ることにしました。特にC/1988 P1は明るく良く撮れていましたので、今になってより精密な測定をやり直しました。この彗星は8月6日の明け方牡牛座の南に発見したもので、8等級、日本では5人の独立発見者がありましたが、名前は付きませんでした。
　写真は8月19日、60ｃｍでメトカーフガイドしたもので、眼視では7〜8等の明るさでした。

C/1988 P1                                             
1988UT           RA (2000.0) decl.          m1        
Aug.19.78576  06 20 42.38  -00 35 52.8     8.1     372
    19.79826  06 20 49.06  -00 35 57.4     8.0     372