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芸西天文台通信<2006年7月26日号>


177P/Barnard 2の観測データと写真

 昨日あたりから梅雨が完全に上がった感じですが、空気が湿っている関係か夜になると一面に雲が発生します。今夜も快晴の下に家を出発したのですが、夕刻天文台に着く頃から真っ白い雲が南の海の方から押し寄せ遅くには雨さえ降りました。
 気になっていたバーナード2彗星の光度ですが、盛んに流れる雲の間に20cmの屈折60xで観測しました。意外と大きい10等星でコマは拡散して、所謂彗星らしい彗星です。写真光度は暗くとも眼視は意外と明るく見られるもので、核の光度は15.5等星とみました。バーナードは恐らくこのようなイメージを16cmのコメットシーカーで捉えたに違いありません。「ああ、大バーナードの発見した彗星はこれだったんだ!!」と117年の時を隔てて感激しました。下の観測は眼視全光度です。
177P/Barnard 2                                         
2006UT         RA (2000.0)   Dec.           m1         
July 26.48524  16 57 42.56  +20 52 51.9     9.7     372
     26.49715  16 57 41.86  +20 53 56.1     9.7     372
 雲間に何とか10分間のメトカーフ法での追跡で写真を撮りました。非常に鋭い核が印象的でコマは際限なく拡がっています。全光度とはこれらの光芒を全部集めたもので、意外と明るい数値になります。今からもっと増光しながら観測しやすい北空に輝くことになりそうです。

21世紀の空に蘇ったバーナードを見よう!!


177P/Barnard 2
2006年7月26日 21時20分(J.S.T)から10分間露出
60cm F3.5反射 TMY400フィルム


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