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芸西天文台通信<2006年5月24日号>


73P/Schwassmann-Wachmann 3

 シュワスマン・ワハマン3彗星のC核に変化がみられました。5月20日(UT)の観測でP.A.(方向角)50度に短いアンチテールが認められた事は、既に報告しましたが、5月21日(UT)の観測でこのC核に第二の核が確認されました。これは月明のため短時間の露光を行ったために判明しましたが、この分裂核は20日にも24日(いずれもUT)にも見えているようです。下が21日の観測で第二の核は完全な恒星状です。
2006UT        RA (2000.0)   Decl.          m1
May 21.75035  23 36 34.07  +04 03 45.8     8.1     372
    21.75243  23 36 35.35  +04 03 32.8             372

(第二の核)
May 21.75035  23 36 34.59  +04 03 43.3    11.9     372
    21.75243  23 36 35.74  +04 03 31.6             372
 低空で星の少ないところですが、測定の精度は+/-2秒角またはそれ以下。
メインの尾はCとB核ともにしっかりしていますが、C核のアンチテールは21日から今も健在です。宇都宮章吾さんの報告されたものは、確かにこのアンチテールだったように思います。

 一方B核は恒星状に鋭く輝いていますが、分裂したAQ核は存在が薄くなりました。


73P-C/Schwassmann-Wachmann 3
2006年5月22日 3時00分(J.S.T)から1分間露出
左下(南東)10"に分裂核らしき影
2分後の撮影でも確認できた
60cm F3.5反射望遠鏡 プレスト1600フィルム

Copyright (C) 2006 Tsutomu Seki.