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芸西天文台通信<2006年2月27日号>


73P/Schwassmann-Wachmann 3 (C), C/2006 A1 (Pojmanski)

 2月27日は理想的な快晴となりました。今冬最後の晴天か?
 例によって夜半前から60cm鏡による観測を開始し朝の5時半まで頑張りました。

 73P/Schwassmann-Wachmann 3のC核は一段と明るくなって、20cm60×の屈折で辛うじて見えました。12.5等位か?比較星がありませんから判然としませんが20cmの限界光度からしてそのくらいでしょうか。下の写真ではかなり見事な尾を30’角くらい引いているようです。なお意外と明るいB核らしいものが写っており確認中です。立派な尾を3’角くらい引いており、1ヶ月くらい前のC核と間違うほどです。CCDと違って写真は視野の広いのが取りえ。

 さて今日の驚きは明け方の低空に見えてきたC/2006 A1 (Pojmanski) です。20cmの中心に入ったとき、そのあまりに立派な姿に腰を抜かしました。コマは非常に明るい4.5等星で、尾は1°を越す見事なもの。
 捜索中にこのような彗星を発見したら、ベテランといえども腰を抜かし、スケッチする手が震えるでしょう。彗星か星雲か迷う時は大概が別物。本物の時はしかっりと感動が伝わってくるものです。
 しかし残念なことにすぐ薄明が迫り来て尾のディテールは明かりに飲み込まれてしまいました。写真は最初の1枚で1分の露出でもコマ(約5’)が大きく写ります。測定の精度は+/-2″はでるでしょう。4枚の中、最後の1枚を測定します。

[73P/Schwassmann-Wachmann 3(C)の写真]
73P/Schwassmann-Wachmann 3 (C核)
2006年2月28日 1時07分(J.S.T)から21分間露出
60cm 反射望遠鏡 TM400フィルム


[C/2006 A1 (Pojmanski) の写真]
C/2006 A1 (Pojmanski)
2006年2月28日 5時19分(J.S.T)から4分間露出
60cm 反射望遠鏡 TM400フィルム

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